ビジネスわかったランド (経理)

原価・製造原価関連の仕訳

[仕入] 商品を見本用に使用した

設例

  1. 仕入商品50,000円分(税抜価額)を見本品として使用した。
  2. 仕入商品100,000円分(税抜価額)をお歳暮用品として得意先に配布した。
  3. 商品である事務機(コピー機)500,000円(税抜価額)を自社の事業用に使用した。

仕訳

  借方 貸方
1. 広告宣伝費 50,000 仕入 50,000
2. 交際費等 100,000 仕入 100,000
3. 器具備品 500,000 仕入 500,000

解説

販売目的で仕入れた商品を販売以外の目的で使用した場合は、その目的に合った適当な勘定科目で処理します。
1.と2.はともに期間費用として、使用した年度の費用(見本品として使用していなければ、貯蔵品として計上しなければなりません)となりますが、3.のような固定(減価償却)資産の場合は減価償却という手続きを通じて費用化されることになります。
いずれにしても、販売目的以外で使用等すると、それらに対しては売上は計上されないこととなります。3.のように、固定資産に振り替える場合を除けば、最終的な利益は同じですが、経営上大切な「売上総利益」の額が異なってしまいます。仕入から他の勘定科目への振替えは注意する必要があります。

●消費税のポイント
仕入勘定から他の勘定科目に振り替える際、既に仕入勘定は税抜処理されているはずですから、改めて仮払消費税等を認識する必要はありません。

著者:千田喜造(税理士)