ビジネスわかったランド (経理)

売上収益関連の仕訳

[売上戻り高] 返品を受けた

設例

前月売り上げたA商品(単価10,000円)に品番の異なる商品があり、2個返品を受けた。引取運賃550円(消費税込み)は当社が現金で支払った。

仕訳

借方 貸方
売上戻り高
仮受消費税等
20,000
2,000
売掛金
 
22,000
 
荷造運賃
仮払消費税等
500
50
現金
 
550
 

解説

返品を受けた場合には、直接売上高を減額する仕訳の方法もありますが、売上戻り高という勘定科目を使い処理する方が好ましいと考えられます。

◎返品原因の究明
返品があった場合はその返品の理由により、その後の対処方法も考えなければなりません。たとえば、設例のような単に品番が異なっていた場合や色違いの場合などにより返品された商品等は、再び棚卸資産として販売できる場合もあるでしょうが、品質不良、破損等の場合はそのまま販売というわけにいきません。一定期間の返品額を把握するという経営上、管理上の理由からもこの勘定科目を使う方が望ましいと思われます。
引取運賃は、仕入れのための費用ではなく、販売にかかる費用ですから荷造運賃という勘定科目で処理します。

●消費税処理のポイント
消費税の対象となる売上に関する、値引き、戻し、返品等を対価の返還等といいますが、その場合は、設例のように仮払消費税の発生ではなく、仮受消費税の減算の仕訳をします。

著者:千田喜造(税理士)