ビジネスわかったランド (経理)

売上収益関連の仕訳

[売上高] 技術の役務を提供した

設例

当社は建物等の設計・管理を生業とする法人(3月末決算)であるが、今回、甲株式会社から建物の設計・管理を請け負った。建物の建築価額は5,000万円(消費税等別)であり、その建築価額に対して設計料3%、監理料2%を収受する契約を結んだ。3月末現在、設計については甲社からの検査印を受け、請求書を送付することとしているが、建物の建築着工までには至っていない。

仕訳

借方 貸方
売掛金 1,650,000 売上高
仮受消費税
1,500,000
150,000

解説

◎原則
設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術・役務の提供を行なったことにより受ける報酬の額は、原則としてその約した役務の全部の提供を完了した日の売上となります。

◎例外
ただし、技術・役務の提供といっても、さまざまな形態があり、役務提供が完了した日はいつか、という問題があります。
設例のように、報酬の額が作業の段階(設計・監理)ごとに区分され、かつ、それぞれの段階の作業が完了するつどその金額を確定させて支払いを受けることとなっている場合は、「設計」という役務提供が完了した段階において、売上に計上すべきということになります。
この取引に関しては、合理的であれば、継続適用を要件として、受注した者が任意に「設計・監理」を一まとめにして、建物完成までの「監理」という役務提供が完了するまで売上計上を見合わせることを選択できるものではないということに注意が必要です。

著者:千田喜造(税理士)