ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

返済額をめぐる交渉で押さえておくべきことは何でしょう?
ムリな要求には粘り強く交渉する

返済額の交渉で注意すべきは、「できない約束をしない」ということです。銀行からムリな返済を要求されても、「その金額では、かえってご迷惑をおかけすることになります。○円であれば何とかできると思いますので、○円でお願いします」というように交渉します。

銀行との条件変更契約は、多くの場合、半年か1年刻みになります。重要なのは「次回変更期日までの返済額」を妥協しないことです。次回の変更期日まで返済可能な金額で話をまとめなければなりません。途中で返済の減額を申し出れば、契約違反でリスケの打ち切りもあり得ることに留意しましょう。

一方、変更期日を迎えて新たに契約を結ぶ際は、資金繰りの状況に応じて、返済額の見直しを相談することも可能です。多少の軌道修正はあっても、約束を確実に履行して返済実績を積み上げていけば、それなりに銀行から信用され、状況も安定していくものです。そのためにも、交渉時の「粘り」が何より重要と心得てください。


安田 順(中小企業診断士)