ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

リスケを行なった会社は、その後どうなっていますか?
ほとんどの会社は事業を継続しています

リスケそのものは返済の先送りにすぎず、残念ながら「リスケすれば大丈夫」ということはあり得ません。また、本来、リスケは私的整理(倒産)手続きに該当する厳しい状態である、ということを認識しておくべきです。

筆者の感覚では、リスケ後の会社の状況はおおよそ次のとおりです。
 
(1)リスケ後1~2年で業績が回復し、返済を正常化する会社が1割
(2)リスケ後1~2年で自己破産等の法的手続きに入る会社が2割
(3)3年以上にわたってリスケを継続し、存続する会社が7割

(1)は、リスケ後に業績が急回復し、返済を正常化する会社です。これが普通と考えるかもしれませんが、実際はせいぜい1割程度でしょう。
リスケして1~2年で正常返済に戻せる状態であれば、最初からリスケは行なわず、融資でつなぐケースのほうが多いからです。
リスケする会社は、すでに新規融資が受けられないほど借金が多い(=返済額が多い)わけですから、短期間で返済を正常化するには、多くの場合、相当な業績の伸びが必要になります。

(2)は、そのほとんどの会社が、リスケの時点で「次の手形が決済できるかどうかわからない」「仕入代金を滞納して商品が入ってこない」など、実質的に手遅れになっているケースです。

(3)は、リスケを申請した後、数年にわたって、半年~1年のペースで契約を更新し、リスケの状態を継続する会社です。これがもっとも多いパターンです。経営改善計画が順調に進捗していれば、5年程度で正常返済の状態に復帰することができます。よくも悪くも、腰を据えてじっくりと再建を進めるのがリスケといえるでしょう。


安田 順(中小企業診断士)