ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

リスケが認められないとどうなりますか?
「延滞」と扱われて、請求されることになります

銀行がリスケを認めないと、従来の返済を継続しないかぎり、延滞として扱われます。

リスケを拒絶された後の流れは以下のいずれかになります。

(1)信用保証協会分は代位弁済が行なわれ、信用保証協会から請求を受ける
信用保証協会が銀行に代位弁済を行なうと、債権(求償権)が信用保証協会に移ります。
ここから先はケースバイケースですが、担保不動産を処分したうえで「事業を継続して、精一杯の金額を返す」ということであれば、わずかな返済額で返済期限の延期に応じてくれることも少なくないようです。

(2)プロパー融資分の競売等への着手
銀行が直接講じてくる回収手段は、預金と借入金との相殺、担保不動産の競売です。
その他の強制執行手続きは、コストと労力がかかるため、ある程度回収が見込める財産がある場合に行なわれます。
競売に関しては、最初は任意売却(債務者自身による売却)の交渉が行なわれます。競売よりも任意売却のほうが、銀行の回収額が大きくなるからです。

(3)プロパー融資分のサービサーへの債権譲渡
サービサーとは、サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)に基づき、銀行から不良債権を譲り受けて回収を行なう債権回収専門会社のことです。
サービサーへの債権譲渡が行なわれるのは、多くの場合、リスケを拒絶された直後ではなく、半年程度経ってからになります。債権譲渡までの間は、債権回収の専門部署か銀行から回収委託を受けた系列サービサーが、督促や債務者の調査を担当することが多いようです。

銀行からサービサーへの債権譲渡は、図表のような流れで行なわれます。


[サービサーへの債権譲渡の流れ]



安田 順(中小企業診断士)