ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

銀行以外にも多くの債権者を抱え、会社をたたむしかない状況ですが、誰に相談すればいいでしょう?
会社再建や倒産実務に詳しい弁護士に相談してください

経営に行き詰ったら、破産して会社は消滅、自分は財産を失ってゲームオーバー、と“ゼロか1”的に考えている方が多いのですが、それは間違った認識です。

一例を示すと、会社をたたむ場合には通常、会社の破産と連帯保証人である社長個人の破産を同時に申し立てますが、会社だけ破産して、個人は破産しないという選択肢もあります。自己破産すると財産の大半を処分しなければなりませんが、社長の債務は、主に金融機関に対する保証債務ですから、破産しなくても対応できるかもしれません。

その他にも、「第三者保証人や従業員、取引先にできるだけ迷惑をかけない」「合法的に事業譲渡を行ない、事業の一部を残す」「住宅ローンだけを返済する形にして社長の自宅を残す」など、再起を図るうえで検討しておきたい点はたくさんあります。
これらは経験がモノをいうテーマです。事務的に「破産しかない」と答える弁護士も多いので、注意してください。

なお、経営が完全に行き詰った後では、打てる手がかぎられてきますから、できるだけ早めに相談することも大事です。


安田 順(中小企業診断士)