ビジネスわかったランド (経理)
資金繰りと資金管理
銀行ごとの返済額はどのように決めればよいのでしょうか?
返済可能額を算出して公平に返済するようにします
個々の銀行に対する返済額を決める前に、まず銀行全体に対する「約定返済可能額」を算出します。
この計算の基本になるのは、営業活動キャッシュフロー(予想損益計算書の「経常利益+減価償却費―法人税」)です。
営業活動キャッシュフローから、必要な設備投資額と銀行以外の債務の返済額を減算し、資産処分などのキャッシュインを加算したものが、銀行全体に対する約定返済可能額となります。
約定返済可能額を算出したら、その総額を銀行ごとに割り振る計算を行ないます。この計算は、銀行同士の公平性を根拠に行ないます。
リスケでもっともよく用いられるのは「プロラタ返済」です。これは、借入金の大きさで返済を比例配分するもので、通常、直近の借入残高シェアで返済可能額を按分計算します。
[プロラタ返済の例]
図表は、リスケ後の約定返済総額を月1,000千円まで減額し、3つの金融機関に割り振ったプロラタ返済の例です。
なお、預金を担保にしている金融機関がある場合は、通常、「借入残高−担保預金の金額」を実質の借入残高としてシェアを計算します。
安田 順(中小企業診断士)
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