ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

リスケとはどのようなものですか?
借入金の返済を一定期間免除してもらう手続きです

リスケジュール・返済猶予(以下、「リスケ」といいます)とは、すでに借り入れている(既往の)借入金について、一定期間、銀行に返済を減額してもらう条件変更の手続きです。
毎月、銀行に対しては「元金返済」と「利息の支払い(利払い)」を行ないますが、通常のリスケ申請で減額できるのは元金返済の部分です。


[リスケジュールによる返済予定表の変化]



実例をあげましょう。図表の返済予定表は、毎月500,000円の元金返済を1年間ゼロに条件変更するケースです。
返済が進まない分、支払利息は増加(545,000円→600,000円)しますが、1年かけて元金500,000円×12か月=6,000,000円の資金を浮かすことができます。新規の借入ができなくても、この処理で、ある程度、資金繰りは楽になります。
変更後の返済は、上記のように必ずゼロにできるわけではありません。銀行はできるだけ早く回収したいと考えるので、こちらがゼロ返済を希望しても、たとえば「最低でも月10万円は返済してほしい」などといわれたりします。
なお、金利の減免や棚上げも一種のリスケであり、まったく交渉の余地がないわけではありません。しかし、利払いの条件変更は銀行の不良債権に該当しやすく、交渉の難易度がかなりあがります。


安田 順(中小企業診断士)