ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[売掛金] 商品を売り上げた

設例

  1. X年2月10日、A商店に商品500,000円(消費税別)の注文を受けた。
  2. 翌日上記商品を発送した。
  3. X年3月10日、上記商品代金を小切手で回収した。当社は出荷基準により、売上を計上している。

仕訳

  借方 貸方
1. 仕訳なし
2. 売掛金 550,000 売上
仮受消費税等
500,000
50,000
3. 現金 550,000 売掛金 550,000

解説

商品や製品等の売上代金、加工賃、労務の提供等の本来の営業取引に基づいて発生した収益の未収入金(債権)は売掛金勘定で処理します。
  1. この段階においては、商談成立ということで、営業の成績になるかもしれませんが仕訳はしません。A商店と契約した対象となる物(商品)を引き渡すという義務を履行していないからです。
    商品を引き渡す前にその代金を請求したとすると、A社は、「商品も受け取っていないのに代金を支払う必要はない」と請求を拒絶するはずです。これを民法では「同時履行の抗弁権」といいますが、「引渡し」が完了するまでは、「売掛金」(債権)の発生としての認識はしません。
  2. 商品を発送した時点で「引渡し」が完了したものとして、認識し、仕訳を行ないます。ここでの「引渡し」は商品を発送した時点です。相手側(A社)が商品を受け取った時点または、商品が注文したとおりの物(大きさ、重量、色、形状等)であるか検収した時点等、さまざまな時点で売上とすることが考えられます(「商品等を販売した(出荷基準)」参照)。

著者:千田喜造(税理士)