ビジネスわかったランド (経理)

利益計画・予算管理

生産計画の立て方は
 生産計画の立案に当たっては、「実績原価の把握」「コストダウンの追求」「生産高の確定」の3つを並行して進める。さらに、操業度の検証、人員計画作成、標準原価計算、といった過程を経て工場利益計画が策定される。

製造関係の計画
年度計画の製造関係の計画には、次のようなものがある。

生産計画は、工場ごとに製造する商品グループ別に立案される。この商品グループのくくりは、販売計画で使うグループと同じものである。工場では、さらに細かな機種別までに区分して材料費、工数などのコストダウンが追求される。

生産計画の立案ステップ
生産計画の立案は、次の3つの過程が並行し進められる。

生産高の確定は、販売部門の売上高計画と連動するものである。しかし、利益計画の策定は時期的に同じ頃に進められる。そのため、ある程度の予想生産高を基に、材料購買単価の見直し、作業工法の改善などのコストダウン追求作業が、一方で進められる。
このコストダウン追求のベースとなる資料が、実績原価であり、標準原価差異分析である。原価差異分析と、コストダウン追求とが連動して、来期の目標とすべき標準原価を確定させる。
生産高、標準原価の確定をもって操業度の検討を行なう。これは工場の生産能力と計画生産高の検証をいい、人員計画、設備計画に反映させる。そして標準原価計算に基づき、工場部門の利益計画を作成することになる。

内部取引価格の改定
独立採算制や事業部制が取られる体制では、生産高は内部取引価格(仕切値)で計算される。この工場部門の出荷価格を年度計画のなかでどのように設定するかも、生産計画の立案の過程で決められる。
これは、販売部門と工場部門間の計画の重要な調整事項である。

著者
近藤 仁(元オムロン株式会社参与)
2013年4月末現在の法令等に基づいています。