ビジネスわかったランド (経理)

固定資産等の管理

減損損失の計算のやり方は
 減損損失の計算は、次の設定に基づく計算例のように行なう。

減損損失の計算は、具体的にどのようにすればよいのか。その1例として、賃貸用不動産へ減損会計を適用したケースで示したのが次の図表である。



減損損失の認識
この例では、前提として、5年前に土地50、建物50で取得したものとしている。建物の耐用年数は10年で定額法、残存価額ゼロとして計算すると、当期末の帳簿価額は土地50、建物25の計75となる。
土地建物の年間キャッシュフロー(賃貸料)は7という前提であるから、5年後の時価を含む将来キャッシュフローを合計することにより、割引前の将来キャッシュフローは55と計算できる(図表(2))。
このとき、帳簿価額が割引前の将来キャッシュユフローを上回るため、減損損失が認識されることになる。

減損損失の測定
次に、減損損失の測定として、正味売却価額と使用価値(将来キャッシュフローの割引現在価値)の計算を行なう。
使用価値は、各年度の将来キャッシュフローを割引率5%で複利割引計算を行なうことにより、46と求められる。
正味売却価額は、現在時点である当期末の時価である土地20、建物25を合計することにより45と求められる。
このうちいずれか大きいほうを回収可能価額とするので、ここでは使用価値(46)を回収可能価額として採用する(図表(3))。
こうして減損損失は、帳簿価額75から回収可能価額(使用価値)46を差し引いた29となる。

著者
吉岡 一人(経営コンサルタント)
監修
税理士法人A.Iブレイン
2013年3月末現在の法令等に基づいています。