ビジネスわかったランド (経理)

経費の支出管理

福利厚生費の管理ポイントは
 過去の実績や世間の実態を踏まえて、「売上の○%」「利益の○%」といった基準を決め、予算管理することが必要である。

福利厚生費とは
福利厚生費は、ひと口でいえば従業員の福利厚生のために支出した費用である。広義の福利厚生費には、法律に基づいて負担することが義務づけられている健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などの事業主負担分である法定福利費も含まれるが、経理上はこれら法定福利費とは区分すべきである。

税務上の留意点は
税務上、福利厚生費は原則として損金となるが、接待、きょう応と類似する行為が伴い、交際費課税となるケースも多い。
交際費や給与として課税されないためには、次のような点に留意する必要がある。


管理上のポイント
福利厚生費は、社会的な趨勢からいっても、徐々に増えていく傾向にある。それは避けられないところだが、増えるに任せるのではなく、過去の実績や世間の実態も踏まえ、売上の○%とか、利益の○%といった一定の基準を決めて予算化し、それと対比しながら管理していくことが基本となる。
また、最近では、インセンティブとして社員持株会へ福利厚生費として支出するケースも多い。実際の支出に当たっては、慶弔金規程などをはじめとする福利厚生費関連費用支出の規程を整備し、それに則って運営していくことが大切である。

資産計上の有無もチェックを
たとえば、社内のクラブ活動のために固定資産を購入したといった場合、10万円未満の少額資産であるときを除き、費用ではなく固定資産に計上しなければならない。そして、減価償却によって費用化した時点で、福利厚生費処理することになる。
経理としては、この辺りも十分に認識し、購入用具の選定の際のアドバイスを怠らないようにしたい。また、購入後は領収書等をチェックし、資産計上の必要があるかどうか、実態に即して検討する必要がある。

著者
真鍋 誠良(公認会計士)
2012年7月末現在の法令等に基づいています。