ビジネスわかったランド (経理)

経費の支出管理

リベートの支出管理のポイントは
 リベートの算定基準を明確にするとともに、支出額を販売先ごとにきめ細かく定める。また、交際費課税されないよう、リベートに関する取決めを文書化し、リベートの支出について得意先に周知した文書を保管する。

リベートとは
リベートとは、一定期間に多額または多量の取引をした得意先に対して、一定の基準に基づいて支給する金銭等で、「売上割戻し」とも呼ばれる。

算定基準がカギ
リベートがその機能を効果的に果たすかどうかは、算定基準にカギがあるといわれる。算定基準としては、前年度実績対比を使ったり、累進的に割戻し率を定めたり、場合によっては特定の地域に限定する等、様々であるが、大きく分けて次の3通りがある。

上記算式の1や3については、累進率を適用する場合もあり、3については回収方法、すなわち現金か手形かにより率を区分する場合もある。
このほか、まず全社的に支払予算を定め、合理的な基準を基に、得意先に配分する方法もある。

税務上、損金計上時期を把握しておく
リベートは、全額損金計上できるが、算定基準を相手方に明示しているかどうかや、支払方法などにより損金計上時期が違ってくる。

ただし、支払うことと算定基準が期末までに社内で定められていて、それに基づく金額が未払計上され、申告書の提出期限までに相手に支払通知をすれば、継続適用を条件に支払年度の損金にできる。

リベートの管理のポイント
リベートという名目であっても、それが恣意的に支払われた場合は、交際費課税のおそれがある。
したがって、リベートに関する取決めを文書化するほか、リベートの支出について得意先に周知した文書を保管しておくとよい。
一定の算定基準が定まれば、これによってリベートの予算管理が可能となる。目標利益を達成するため、売上総利益からリベートを差し引いたリベート控除後の売上総利益を算定することにより、実質的な売上総利益、売上総利益率を明らかにする。
当初の目標利益もしくは目標利益率が達成できるように、リベートの支出額を販売先ごとにきめ細かく定めることにより、予算統制を図る。

著者
真鍋 誠良(公認会計士)
2012年7月末現在の法令等に基づいています。