ビジネスわかったランド (経理)

固定資産等の管理

リース料の支払方法は?

リース料の支払方法には、次のような決まりがあります。



(1)物件借受証を発行する
ユーザーがリース会社に対して発行した「物件借受証」に記載してある「借受日」が、リース期間の開始日となります。この日から、ユーザーはリース物件を使用できるとともに、リース料を支払わなければなりません。つまり、リース契約は締結時点で成立しているのですが、この「借受日」をリース会社からユーザーへの「物件の引渡日」と定めているため、この日を起点として、リース契約上の権利義務が具体的に発生するのです。

物件借受証は、ユーザーが物件を受領して、検査の結果、瑕疵のない物件の引渡しを受け、借受日以降、リース契約書にもとづいてその物件を使用するという意思表示をリース会社に対して行う文書です。リース会社は、この文書を受領することによって、ユーザーの「意思」とリース物件の「存在」を確認します。



前述したように、借受日からリース契約上の権利義務が具体的に発生するため、物件借受証の発行は、リース契約書を補完する重要な行為といえます。物件借受証発行後、ユーザーは、「物件が搬入されていない」「物件に瑕疵がある」などの理由で、リース料の支払いを拒むことはできません。


(2)リース料は均等額で月額払いが原則
物件借受証の発行と同時にユーザーには、リース契約にもとづくリース料支払義務が生じます。
リース料は均等額で月額払いが原則となっていますが、ユーザーの事情などによって、半年払い、年一括払いなどの支払方法が認められる場合もあります。
リース料の支払方法には以下のようなものがあります。

(a)手形によるもの
ユーザーは、リース期間の月数と同じ枚数の手形をリース会社に交付します。実務上、今ではあまり利用されていません。

(b)自動引落しによるもの
リース会社がユーザーの口座から指定期日に自動引落しをします。最近では、リース契約金額の少額化により、ユーザーが手形を振り出さないこともあり、またリース会社としても、契約件数の増大による手形の保管場所の問題から、自動引落しによる方法を採用するリース会社が多くなっています。

(c)銀行振込みによるもの
ユーザーがリース会社の指定する口座に振り込む方法です。大口案件などに見られますが、ユーザーが振込みを失念したり、振込手数料を加算せずに送金するといった問題があり、また、リース会社のリース料請求金額との照合の手間がかかるという欠点があります。


著者
芥川  基(弁護士)
2012年6月末現在の法令等に基づいています。