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固定資産等の管理

リース取引のメリットは?

リース会社は、以下のような手順を踏んで選別・決定をしましょう。
リースは、企業の設備投資に重要な役割を果たしています。また、サプライヤーにとっては販売促進の手段として、金融機関にとっては融資先の拡大手段としてなど、リースを利用する企業だけでなく、経済の発展にも大きく貢献しています。日本でリースが導入されて以降、企業のリース利用は急速に拡大し、今ではほとんどの企業がリースを利用して設備投資を行っているほどです。
このように企業に急速にリースが受け入れられたのは、リースを利用することによって様々なメリットが享受できたからです。ここでは、ユーザーの立場から見たリースのメリットを、もう少しくわしく見てみましょう。


(1)一度に多額の資金を必要としない
企業が設備投資をする場合、自己資金でも、あるいは借入れでその資金を調達するにしても、一度に多額の資金が必要となります。しかし、リースを利用すれば、企業は、一度に多額の資金を必要としないで、毎月一定のリース料を支払うだけで機械設備等を使用することができるようになります。このことは、資金力の乏しい中小企業などにとっては大きなメリットであるといえます。
また、リースを利用すれば、多額の資金流出を防ぐことができるために、資金繰りが楽になるほか、設備投資に予定していた自己資金や借入金を事業資金、運転資金として運用することも可能になり、その企業は効率的な経営を行うことができ、利益の増大がはかれます。


(2)事務の省略化
自動車を取得すると、減価償却計算、自動車税等の税金の納付、保険料の支払い、それから点検・車検などの事務所処理が必要になります。
しかし、リースの場合、減価償却計算以外の事務はすべてリース会社が行うので、ユーザーはかなりの省力化をはかることができます。また、リースでは費用が定額となるため、予算策定が簡単で事務負担は少なくなります。


(3)陳腐化に対応
機械設備を取得した企業は、耐用年数にわたって資産を費用化していきますが、技術進歩の速いコンピュータや通信機器などの商品サイクルは、それらの耐用年数よりも短いものです。したがって、導入してもすぐに陳腐化してしまいます。ところが、いったん取得したこれらの資産を償却期間(耐用年数)の途中で廃棄することは容易ではなく、企業経営に影響を与えてしまいます。
これに対して、リースを利用すれば、リース期間は耐用年数よりも短い期間で設定できるために、資産の陳腐化というリスクを軽減することができます。また、リース期間終了近くになると、リース会社からユーザーに対してリース契約終了の通知がありますから、ユーザーとしてはリース契約終了前に次の設備導入を検討して、契約終了時にはスムーズに新しい設備への切替えをすることができます。


(4)コスト把握が容易
ユーザーが支払うリース料は、月々一定額です。また、リース期間が定められていますので、将来発生する費用を容易に把握することができます。リースを前提とすれば、企業の設備投資計画、企業経営計画なども立てやすいといえるでしょう。


(5)手続きが簡単
金融機関からの借入れと比較して、リース契約の手続きは簡単です。金融機関が企業に融資を行う場合は、企業に対して、融資する額に見合う担保を求め、資産の使用目的も含めて慎重に与信審査が行われます。また、融資を決定するまでには相当の時間を要します。
一方、リース契約においては、ユーザーの代表者個人などの連帯保証は求められますが、担保は原則として不要です。また、金融機関と同様にユーザーの信用調査が行われますが、その対応は比較的スピーディーです。このように、リース契約の手続きは金融機関からの借入れにくらべて簡単で、しかも申込みから契約締結までの期間が短いために、企業にとってはタイムリーな設備投資が可能となります。


著者
芥川  基(弁護士)
2012年6月末現在の法令等に基づいています。