ビジネスわかったランド (経理)
資金繰りと資金管理
損益と資金収支の差異内容は
収益と収入の金額は一致しないし、費用と支出の金額も一致しない。損益と資金収支の差額が貸借対照表に計上される。
資金収支と損益は一致しない
上図をご覧いただきたい。まず、会計上の収益とお金の収入で差が生じるのは、Aの「収益であるが収入でないもの」が生じるケースであり、その最も代表的なものに売掛債権がある。
Bの「収入はあったが収益となっていないもの」には、前受金や借入金、増資資金もこの類である。このように通常の会社では、収益と収入は一致せず、上図から
「収入=収益-A+B」である。
次に、費用と支出の差を見ると、Cは「支出はするが費用とならないもの」で、前払金や在庫品・固定資産(含む投融資)などがある。
Dの「費用には計上しているが支出はしていないもの」に、仕入債務や未払金、それに減価償却費などがある。やはり、費用と支出は一致せず、
「支出=費用+C-D」である。
資産が増えると資金は減る
上図により、「収益と収入」「費用と支出」で差が生じる要因がわかるが、AとCの例にあげたものは損益計算よりも資金が苦しくなるときであり、それらの項目は資産項目である。
逆にBとDは、損益計算よりも資金が楽になる例であり、これらの項目は負債か資本の項目であることに注目してもらいたい(減価償却費は資産のマイナス)。
すなわち、
「資金収支=収入-支出」であり、前述の「収入=収益-A+B」と「支出=費用+C-D」を当てはめると
資金収支=(収益-費用)-(A+C)+(B+D)
となり、
資金収支=利益-資産+負債・資本
の算式が成り立つ。
つまり、資金を増やすには利益を上げること、資産を減らすこと、負債・資本を増やすこととなる。
収支金額の見積り方
上述のとおり、一定期間の資金収支は「利益-資産の増加+負債・資本の増加」で計算される。
したがって、運転資金を中心に流動資産と流動負債の差額を見積もると、残りは「固定資産と固定負債・資本」の金額をどう見積もるかということになる。
著者
石田 昌弘(元オムロン株式会社経理部長)
2011年12月末現在の法令等に基づいています。
資金収支と損益は一致しない
上図をご覧いただきたい。まず、会計上の収益とお金の収入で差が生じるのは、Aの「収益であるが収入でないもの」が生じるケースであり、その最も代表的なものに売掛債権がある。
Bの「収入はあったが収益となっていないもの」には、前受金や借入金、増資資金もこの類である。このように通常の会社では、収益と収入は一致せず、上図から
「収入=収益-A+B」である。
次に、費用と支出の差を見ると、Cは「支出はするが費用とならないもの」で、前払金や在庫品・固定資産(含む投融資)などがある。
Dの「費用には計上しているが支出はしていないもの」に、仕入債務や未払金、それに減価償却費などがある。やはり、費用と支出は一致せず、
「支出=費用+C-D」である。
資産が増えると資金は減る
上図により、「収益と収入」「費用と支出」で差が生じる要因がわかるが、AとCの例にあげたものは損益計算よりも資金が苦しくなるときであり、それらの項目は資産項目である。
逆にBとDは、損益計算よりも資金が楽になる例であり、これらの項目は負債か資本の項目であることに注目してもらいたい(減価償却費は資産のマイナス)。
すなわち、
「資金収支=収入-支出」であり、前述の「収入=収益-A+B」と「支出=費用+C-D」を当てはめると
資金収支=(収益-費用)-(A+C)+(B+D)
となり、
資金収支=利益-資産+負債・資本
の算式が成り立つ。
つまり、資金を増やすには利益を上げること、資産を減らすこと、負債・資本を増やすこととなる。
収支金額の見積り方
上述のとおり、一定期間の資金収支は「利益-資産の増加+負債・資本の増加」で計算される。
したがって、運転資金を中心に流動資産と流動負債の差額を見積もると、残りは「固定資産と固定負債・資本」の金額をどう見積もるかということになる。
著者
石田 昌弘(元オムロン株式会社経理部長)
2011年12月末現在の法令等に基づいています。
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