ビジネスわかったランド (経理)

年次決算

連結決算の注意点は
連結決算とは
支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団(企業集団)を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成する財務諸表を連結財務諸表といい、連結決算とは、連結財務諸表を作成するために行う決算のことである。
 
連結決算における主なポイントは以下のとおりである。


連結の範囲
・親会社は、原則としてすべての子会社を連結の範囲に含める(※)。
・子会社のうち次に該当するものは、連結の範囲に含めない。
  1. 支配が一時的であると認められる企業
  2. 1.以外の企業であって、連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業
  3. 連結の範囲から除いても企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性が乏しいもの

※「親会社とは、他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関で、以下、「意思決定機関」)を支配している企業をいい、「子会社」とは当該他の企業をいう。このように、子会社の判定基準として、議決権の所有割合以外の要素も加味した支配力基準を導入している。従来は、一定の要件を満たす特別目的会社に対する出資者及び当該特別目的会社に資産を譲渡した企業は、当該特別目的会社を子会社に該当しないものと推定するとの規定があったが、平成23年改正基準では、当該出資者に係る定めが削除されている点に注意が必要である。

  1. 議決権の過半数を所有されている会社(民事再生手続開始の決定を受けた会社等一定の会社等は除かれる)
  2. 議決権の100分の40以上、100分の50以下を所有されている会社で、かつ、以下の要件に該当するもの

    イ 所有されている議決権のほか、出資・人事・資金・技術・取引等で緊密な関係があり、同一の内容の議決権を行使すると認められる者や同一内容の議決権を行使することに同意している者の議決権を合計すれば過半数を所有されることとなる会社

    ロ 役員や使用人等である者、またはあった者で、会社の財務・営業または事業の方針の決定に関して影響力のある者により、会社の取締役会等の機関構成員の過半数を占められている会社

    ハ 他の会社等により重要な財務・営業または事業方針の決定が支配される契約等がある会社

    ニ 貸借対照表の負債の部に計上されている資金調達総額の過半数の融資(債務保証や担保提供を含む)を受けている等の会社

    ホ 以上のほか、他の会社等により会社の意思決定機関が支配されていることが推測される事実が存在する会社

連結決算日
・親会社の会計期間に基づき、年1回一定の日をもって連結決算日とする。

・子会社の決算日が連結決算日と異なる場合には、子会社は、連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続により決算を行う。ただし、子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができるが、そこから生じる連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致については、必要な整理を行う必要がある。


親会社及び子会社の会計処理の統一

・同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社及び子会社が採用する会計処理の原則及び手続は、原則として統一する。これは、連結財務諸表による企業集団の財政状態及び経営成績の適正表示を達成するためであり、統一しないことに合理的な理由がある場合又は重要性がない場合を除いて、統一しなければならない。