ビジネスわかったランド (経理)

現金、手形等の管理

振出手形引き落としの際の注意点は
 自社が振り出した手形が引き落とされるときに銀行残高が不足した場合は、手形は第1号不渡事由で不渡りになる。したがって、支払期日を各月の末日等一定の日に統一するなど、その日に資金が不足しないように資金繰り計画の管理が欠かせない。

当座預金残高に注意
他の口座に資金があっても、支払銀行の当座預金口座に残高がない場合は、決済資金不足のため不渡りとなる。
当座預金残高が不足しないように常に留意するとともに、残高が不足することが多いときは、取引銀行とあらかじめ当座貸越契約を結んでおくなどの対処がぜひとも必要である。

振出手形期日の統一
支払手形の期日を各月の末日等、一定の日に統一することにより資金繰り管理を容易にすることができる。
支払手形の満期日がバラバラになると、常に当座預金残高をフォローしておかねばならず、資金繰りが困難になり、不渡りが発生しやすい状況になる。
自社の取引の実状に合わせ、「末締め翌月末払い」等、支払条件を一定にし、その際に振り出す手形のサイトを月末等の区切りがよく、管理しやすい日付に統一することで資金繰り管理を容易にすることができる。

資金繰り計画の重要性
不渡りの発生を防止するには、計画的に資金繰りを行なうことが非常に重要である。支払手形はもちろん、営業債務や借入金の返済計画等の支出予定と、受取手形、営業債権や貸付金の回収計画等の収入予定を突き合わせ、必要な資金融通をすることにより、資金繰りを計画的に行なう。
そのためには、支払手形の期日管理や受取手形の期日管理、その他債務の支払管理、その他債権の回収管理等がきちんとできていなければならない。
近年では、パソコンで活用できる安価な資金繰り管理ソフトが市販されており、業務の効率化も含めて大いに利用すべきである。

著者
田邉 太郎(公認会計士・税理士)
2011年1月末現在の法令等に基づいています。