ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

銀行との交渉は複数でしたほうがいいのか?

必ず複数で対応し、メモ役を置くとよいでしょう。相手に圧迫感を与えずに、こちらのペースで話をするのがポイントです。

●録音テープは駄目だが、メモ役はOK
融資話を録音することが、いかに愚かで、銀行から相手にされなくなる恐れがある行動であることは前項で述べました。
だからといって、あとで「言った、言わない」でトラブルになる事態は避けたいものです。簡単な解決方法は、メモ役の人間である秘書のような女性を1人置いておくことです。
私が外まわりをしていたころ、ちょっと大きな会社だと応接室に通され、秘書のような女性が社長の横に座り、会話の内容をメモしていたケースがありました。ICレコーダーは後日トラブルのもとになりそうですが、メモ役はいても、特に不自然には感じないものです。

●できれば、ホームグラウンドで
融資の交渉は、金融機関に出向いて行なう場合と、金融機関の担当者がやってきてくれる場合とがあります。信用保証協会などの公的金融機関などは、先方へ出向いて面談するケースが多いようです。
銀行などの民間金融機関などでも、営業マンがやってくることもあれば、大事な融資の話なら、銀行の店舗に出向いて融資の担当課長などと話をすることもあるでしょう。
ただ、融資というのはお金を借りる手前、借りるほうが「お願い」をする立場となり、金融機関の担当者を呼びつけるのはどうかと思います。
したがって、自ら金融機関の出向くのが筋でしょう。しかし、できればアウェイでなくホームで戦いたいものです。
そこで、最初は金融機関に経理部長などの地位の人があいさつに出向き、後日、来社をしてもらう段取りをするのも方法の1つです。
ムリならしかたないですが、銀行との親密さの加減でご検討ください。

●相手より多い人数で対応する
交渉事の鉄則として、「相手人数+1」というのがあります。つまり、相手よりも1人多い人数で対応することで、心理的にも「相手に負けていない」という効果があるようです。加えて、税理士などの専門家が同席すれば効果が高まります。逆に、相手人数よりも少ないと「負けそうだ」という不安にかられるものです。
ただし、窓のない狭い部屋で銀行員に圧迫感を与えるようなことは避けたほうがいいでしょう。また、朝イチや、銀行の閉店間際など忙しい時間に打ち合わせをするのも避けるべきかもしれません。

 

著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。