ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

質問に対する答えは、どんなものを用意しておけばよいのか?

稟議で必要な"5つのポイント"について聞かれます。質問に対する答えはあらかじめ用意しておきましょう。

●信用してもらえるような答えを準備しておく
バブルの頃ならいざ知らず、中小企業の倒産が日常化している昨今では、銀行が融資に際して、「5~7年という長期間にわたってきちんと返済してくれるのか」という視点で企業をみてくるのは当然です。
したがって、「この会社はお金を返してくれる」と信用してもらえるような答えを準備しておかないのは、武器を持たずに戦いを挑むようなものです。

●銀行の稟議で必要な“5つのポイント”は必ず聞かれる
銀行が融資の稟議を進めるうえで必要な5つのポイントは、「資金使途」「融資金額」「返済方法」「返済原資」「保全」です。ですから、
・「融資のお金は、どういったことにお使いになられますか?」
・「融資の金額は具体的においくらですか?」
・「融資のお金を、どのように返済してくださいますか?」
・「融資のお金の返済はどのお金からされるのですか?」
・「万が一、返済が滞る事態になった場合、保証人や担保は?」
などについては絶対に聞かれます。したがって、これらの質問に対して、
「とにかく頑張りますから、何とかしますからお願いします」といった抽象的な答えしかできないようであれば失格となります。

●必ず聞かれる質問に対する準備を万全に!
たとえば、衣料品店が冬物衣料の仕入資金を融資してほしいなら、下記のような答えを用意してほしいものです。
・「資金使途」……「冬物衣料の仕入資金として利用します」
・「融資金額」……「秋物の売上が昨年比110%と好調なので、昨年比120%の2,000万円でお願いします」
・「返済方法」……「バーゲン終了後の1月末と2月末に1,000万円ずつ返済します」
・「返済原資」……「年内に売上を3,000万円は確保する予定で、前年実績から考えてもクリア可能な数字です」
・「保全」……「10年来、支援していただいている仕入先の社長に連帯保証人を依頼し、快諾を得ています」
これで万全とはいいませんが、最低限この程度のことは答えられるようにしておいてください。

 

著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。