ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

銀行内での稟議のポイントの押さえ方は?

自社の情報を正確に伝える書類を作成・提供することが大切です。

●稟議書における5つのポイント
実際に融資の案件を銀行員に相談したあと、その案件はどのような流れで審査されるのでしょうか。
まず、「外まわり」の銀行員は、融資の相談を受けたら、自分でその案件の稟議書を作成します。作成するひな形は各銀行によって当然ちがいがありますが、「資金使途」「融資金額」「返済方法」「返済原資」「保全」などは押さえておく必要があります。
これらは、銀行から融資を受けるときに提出する書類の記載事項としては基本中の基本であり、このような最低限の情報を銀行員に提供しないことには、稟議書を書くという最初の段階で時間をかけることになります。

●情報提供をしないとトラブルに発展し、困るのは顧客自身
これらの情報を提供しないと、稟議は「外まわり」が握ったまま止まってしまい、上司へと進むことはありません。こういう話は意外とよくあり、後日トラブルになった際にも、上司が案件の存在をまったく知らなかったということさえあるのです。
もちろん、責められるべきは「外まわり」の銀行員であることには間違いありません。しかし、融資の稟議に必要な情報を提供しないために困るのは、相談をした経営者自身なので、くれぐれもご注意ください。
融資案件は「外まわり」から融資担当の課長などの厳しい視点での審査を受け、支店長の決裁となります。たくさんの「ハンコ」が必要となるため、確実に融資先候補(=あなたの会社)の情報が伝わっていく「書類」が重要なことを知っておいてください。

 

著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。