ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

銀行員と話すときに注意すべきことは?

"5つのポイント"には答えられるようにしましょう。

●まずは、3つの“融資の基本”を押さえよう
銀行員と融資の相談をするうえで、最低限伝えなければならないポイントは5つあります。
そのポイントとは、「資金使途」「融資金額」「返済方法」「返済原資」「保全」の5つです。なかでも、まず、銀行の融資の基本ともいえる「資金使途」「返済」「保全」の3つを押さえる必要があります。
私自身、「外まわり」になってすぐ、支店長から「君はまだ融資のイロハもわかっていないから、お客さんから融資の相談を受けたら、まず『資金使途』『返済』『保全』の3つを聞いてこい」と繰り返し繰り返しいわれたものです。
何のためにお金を借りるのかという「資金使途」、その借りたお金をどのように返済するのかという「返済」、そして、貸倒れに備えて土地などを担保にとったり、もしくは返済不能となったとき代わりに返済してもらうための連帯保証人を用意するなど、万が一に備える「保全」という、この3つの基本を押さえることを最初に学んだのです。

●「融資金額」と「返済原資」を加えると5つのポイントになる
このうち、「資金使途」では、お金の使い途だけでなく、「融資金額」も聞いておかねばなりません。「返済」についても、どのように返済するのかという「返済方法」のほか、返済するためのお金の出所が何かという「返済原資」についても確認するので、合計5つのポイントとなるのです。

●「なんとかします!」ではお金は貸してもらえない!
これら5つのことにキチンと答えられないのは問題です。いや、融資どころではなく問題外ともいえます。
特に問題になることが多いのは、「返済方法」「返済原資」という「返済」に関することについてです。
売上が順調に推移していても、通常、返済というのは利益から返済していくものであり、いかに利益を確保していくのかについては、合理的で納得のいく、かつ、末端の銀行員が上司に説明しやすいような理由が必要となるのです。
ところが、意外に多いのが「なんとかします!」と答える経営者です。銀行員が、この言葉を信用できなくなるほど裏切られた経験をしているのは先述したとおりです。
まず、想定される質問は5点ですから、それに対する答えを考えておきましょう。

 

著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。