ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

銀行が融資しやすい会社はあるのか?

「私利私欲」ではなく「公利公欲」発想でアピールしましょう。

●あなたの夢のために預金者のお金を使えない!
・「あなたはなぜ、商売をしているのですか?」
・「あなたはなぜ、商売を始めたのですか?」
融資の相談をしている際に、このように銀行員から聞かれることがあります。どちらも、考えるまでもなく即答できる質問だと思います。ところが、「金持ちになりたい」「いい車に乗りたい」「有名になりたい」など、自己中心的な答えをよく聞きます。
銀行は、あくまでも預金者から預かったお金を貸し出すので、社会に有益となる企業へ融資したいと考えています。銀行の社会的使命として「公共性」がある以上、社会が求める会社に融資をするのが、銀行としての立場でもあるのです。

●「私利私欲」では応援できないのが銀行の立場
したがって、銀行は自己中心的な発想をする経営者を応援できないのです。はっきりいうと「応援したくない」──それが銀行の立場です。
ましてや、日本政策金融公庫や信用保証協会などの公的な金融機関などは、公共性がないと応援しようがありません。やはり、「私利私欲」のために活動している会社に対しては、厳しい目を向けざるを得ないのです。
逆に、私の造語ですが、「公利公欲」という、「公」の「利益」のために活動し、「公」の「欲求」していることに応えようとする会社というのは、応援したくなる、いや、応援せざるを得ないのが銀行、ともいえるのです。

●表現のしかたを変えれば印象は変わる?!
たとえば、あなたが料理人で、長年の夢を叶えて自分の店を開くために銀行に融資を頼み、「その店を開く理由は?」と銀行員に聞かれたとします。
A:「三ツ星レストランで修行した料理の腕をふるうため、自分の店を持ちたい」
B:「三ツ星レストランで修行して得た味を、多くの人に味わってもらいたいので店を開きたい」
AとBのどちらの答えが銀行員にウケるでしょう?やはり、「公利公欲」的な発想を持つ後者のほうが、金融機関は応援したくなるのです。Aは「私利私欲」っぽく聞こえるのです。ちょっと表現を変えるだけで印象は変わるので、この「公利公欲」的な答えをしてほしいと思います。

 

著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。