ビジネスわかったランド (経理)

売上、売掛金の管理

債務を免除したときの会計処理は
 債務超過に陥った取引先の救済等のため、債務を免除するケースが見受けられるが、その場合の会計処理は次のように行なう。

債務免除とは
債権者が自己の債権を無償で消滅させる行為である。債務者の承諾を要せず、債権者が単独ですることができる。

債務免除の方法
通常、内容証明郵便による書面により通知をする。相手方の住所不明により返戻された場合にも、書面は必ず保管しておく。
債務免除は、債権者の放棄の意思表示のみで法律効果が生じ、債務者の承諾を要しないので、書面が相手方に未到達の場合でも債権は消滅することになる。

債務免除の仕訳
免除によって法律的に債権は消滅する。ただし、相手方である債務者の支払能力の有無によって経理処理は異なる。
1. 債務者に支払能力のない場合
(借)貸倒損失 ××× (貸)売掛金等 ×××
法律的には債権は消滅しているので、損金経理を要件としないが、損金経理をしておくことが望ましい。
2.債務者に支払能力のある場合
(借)寄附金 ××× (貸)売掛金等 ×××
支払能力のある場合には、債権者は債務者に対して経済的利益を供与したもの(みなし寄附金)として寄附金課税を受ける。
寄附金課税を受けるのは、法律的に債権が消滅した場合である。法律的には債権は存在するが、その経済価値がないとして貸倒処理をした場合で税務上否認されたときには、寄附金課税はない。売掛金等の簿外資産が存在することとなる。貸倒れ否認を法人が受け入れる場合の仕訳は、次のとおり。
(借)売掛金等 ××× (貸)償却債権取立益 ××× (または過年度損益修正益)
債務免除の処理方法の概要は次のとおり。


著者
大山 勝夫(経営コンサルタント)
監修
税理士法人A.Iブレイン
2013年3月末現在の法令等に基づいています。