ビジネスわかったランド (経理)

利益計画・予算管理

正確な需要予測の立て方は
 市場情報や競合相手先情報を絶えず集めることが必要。それらの情報を分析し、予測する項目を絞り込む。自社の強味と弱点、外部環境の分析を行ない、自社の取るべき選択事項を抽出する。

予測情報の収集
事業を展開する市場や業界で、今後どのような量的・質的需要が見込めるかを予測するのが需要予測である。経理財務部門は、日頃これらの情報に敏感になり、情報収集に努めるべきである。予測情報は、次のように区分できる。
1.市場情報
2.競合相手先情報
3.顧客情報
4.自社情報
決算作業に追われるだけでなく、一般的な景気変動による環境変化や特定の業界、市場に起きている構造的な変化の把握は、会社存続にかかわる問題である。
年度計画や利益計画の立案に合わせて需要予測をするのではなく、日常的に変化分析への認識すり合せを経営トップと行なうべきである。

予測の方法
需要予測の仕方としての一般的なものは、次のとおり。
1.情報の収集と分析
2.何を予測するのかを特定した項目の絞込み選定
3.自社の持つ特定した項目の強点・弱点の分析
4.特定した項目の外部環境の分析と動向予測
5.上記3と4より、自社の取るべき選択事項の抽出
総合研究所などのシンクタンクや調査機関への調査依頼も有効な方法だが、依頼内容については、絞り込む必要がある。
また、特定した項目につき目標とすべき最優良企業と自社のそれとを徹底的に比較分析して、その差異原因を追及する方法もある。
漠然とした需要予測でなく、項目を特定してその需要予測を行なうことで精度を上げ、その予測に向けて、自社の持つ経営資源を集中的に投入する。
経理財務部門が需要予測情報を得るには、販売部門で作る日頃の商談情報カード(顧客訪問カード)が役に立つ。


著者
近藤 仁(元オムロン株式会社参与)
2013年4年月末現在の法令等に基づいています