ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

銀行以外からの資金調達方法は?(その2)

親族からの融資や少人数私募債という手もあります。

代表取締役や知人からの支援
会社の決算書を見ていると、代表取締役のほか、その親族からの資金援助を受けている企業がたくさんあることがわかります。
親族や知人から援助を受けることはよくあることです。銀行は、「親族や知人も応援している会社」というように、どちらかといえば好意的に見てくれます。
逆に、「親族や知人には迷惑をかけたくないので、銀行からお金を借りたい」といわれても、銀行側としては、「結果的に銀行が迷惑をかけられてしまうのかもしれない」と不安を感じるので、決してこのようなことはいわないようにしてください。
なお、個人からの貸付は、決算書上は1年以内に返済するものでなくとも、短期借入金に計上されます。
代表取締役の親族ならば、同姓なのでわかりやすいのですが、姓がちがうために、素性がわからないときもあります。そんなときには、決算書の勘定科目の内訳の補足欄に「代表取締役の義父」などと書いておくのが親切でしょう。

「少人数私募債」というものもある
社債という資金調達方法もあります。社債とは、ご存知のとおり会社の債務(借金)です。
上場企業でなくても、市場で社債を発行できますが、現実には上場基準以上の厳しさともいわれ、中小企業にとって社債は縁遠い存在といえます。
ただし、市場で社債を発行しなくとも、知人を相手に社債を発行することも可能です。「少人数私募債」と呼ばれるもので、代表取締役の親族のほか、取引先や関係企業などの縁故者に対して社債を発行するものです。
これは、銀行などの金融機関から資金を調達する間接金融ではなく、直接金融の手段として活用可能ですが、少人数私募債という名のとおり、その勧誘対象先には50人未満といった制限があります。

ノンバンクからの融資はやめておいたほうが無難
かつて、返済が滞っている人に「目ん玉売れ!」と迫り話題となった商工ローン。資金調達方法の1つではありますが、あまりお勧めできません。「高金利でないと融資を受けられない苦しい会社」と判断され、結果として、銀行からは見放されてしまうのでご注意を。
なぜ、商工ローンなどから借りることを銀行は厳しく見るのかというと、赤字で苦しんでいる会社が高金利の資金を調達すると、利息の支払に追われ、早晩、資金がまわらなくなるからです。そういった会社を銀行が避けるのは当然で、融資をストップするどころか回収に走ることでしょう。


著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。