ビジネスわかったランド (経理)
資金繰りと資金管理
慢性的な資金不足の改善策は
慢性的な資金不足の解消は、対症療法には走らず、原因をきちんと究明したうえで、次のような財務体質の強化に努める必要がある。
慢性的資金不足(=借金体質)の原因
資金収支は、「運転資金」と「投資資金」と「財務資金」という“3つの塊”で決まる。そして資金繰りが苦しいのは、一時的なものか体質なのかが問題となる。
借金体質は、次のような原因によって生じており、それぞれを分析する。
資金を増やす3つの方法
借金体質から抜け出すためには、増資を除けば次の3つの方法しかない。
そして、利益を上げるには、
・売上を増やすこと
・限界利益率を高めること
・固定費を下げること
である。
対症療法ではダメ
借金体質の会社は、構造的に資金不足を生じるのであり、その場しのぎの対症療法ではだめであり、体内から血液を創り出せるような健全な体質につくりかえなければならない。
それは資金担当者だけが頑張ればできるものではなく、経営者を筆頭に会社全体の意識改革が必要である。
健康体に改善するポイント
ここでは健康体に改善するためのポイントについて述べよう。
まず、経営者に、借金漬けにならないための体質づくりは、全社的活動が必要であることをよく理解してもらう。
そして単なる利益計画だけではなく、資金計画とセットにした長期計画をつくり上げるようにする。
長期計画のポイントは、次のようにまとめることができる。
財務体質悪化の背景
財務体質が悪化した原因の背景にも要注意である。
主なものをあげると次のようになる。
財務体質強化の方策
財務体質強化の方策は、まず、自己資本を増やすことである。安定性としては自己資本が一番であり、他人資本は金融情勢や会社の財務内容によって金融機関の貸付姿勢に変化が生じるので、決して安定的とはいえない。
いかに自己資本を増やすか、すなわち利益を出すか・増資をするかが最も大きな財務体質改善のポイントである。
安定的資金源泉である増資と自己金融(利益+減価償却費)により体質改善を進めていくことは、銀行からの信頼が得られることにつながり、資金調達が容易かつ有利となる。
具体的には、今後の投資を減価償却費の範囲内とすれば、利益で借金を返済していくことができ、資金は捻出できる。
長期と短期の資金使途と源泉の望ましい姿を図示すると、次のとおりである。
著者
石田 昌弘(元オムロン株式会社経理部長)
2011年12月末現在の法令等に基づいています。
慢性的資金不足(=借金体質)の原因
資金収支は、「運転資金」と「投資資金」と「財務資金」という“3つの塊”で決まる。そして資金繰りが苦しいのは、一時的なものか体質なのかが問題となる。
借金体質は、次のような原因によって生じており、それぞれを分析する。
資金を増やす3つの方法
借金体質から抜け出すためには、増資を除けば次の3つの方法しかない。
- 利益を出すこと
- 必要運転資金を下げること
- 固定資産を減らすこと
・売上を増やすこと
・限界利益率を高めること
・固定費を下げること
である。
対症療法ではダメ
借金体質の会社は、構造的に資金不足を生じるのであり、その場しのぎの対症療法ではだめであり、体内から血液を創り出せるような健全な体質につくりかえなければならない。
それは資金担当者だけが頑張ればできるものではなく、経営者を筆頭に会社全体の意識改革が必要である。
健康体に改善するポイント
ここでは健康体に改善するためのポイントについて述べよう。
まず、経営者に、借金漬けにならないための体質づくりは、全社的活動が必要であることをよく理解してもらう。
そして単なる利益計画だけではなく、資金計画とセットにした長期計画をつくり上げるようにする。
長期計画のポイントは、次のようにまとめることができる。
- 運転資金月数をいかに減らすか
- 固定資産をいかに減らすか
- 固定資産の調達資金を長期のもの(できれば増資)に切りかえる
- 利益計画と資金計画のバランスがとれている経営計画とする
- 資金計画には借金体質改善のための方策(たとえば、回収促進、固定資産売却など)が織り込まれている
- その方策は各部署に徹底され、実行計画などの目標とされている
- 実行するための体制が整っている
- 実行状況をフォローする体制をつくる
財務体質が悪化した原因の背景にも要注意である。
主なものをあげると次のようになる。
- 利益計画と資金計画の整合がとれていない
- 予算管理が不徹底のため実績値をフォローできない
- 生産と販売のバランスがとれていない(欠品、過剰在庫のもと)
- コスト(冗費、金利を含む)意識が低い
- 販売優先で回収は後回しの風潮
- 売掛債権回収の責任部門・管理者が不明確
- 長期の滞留在庫・デッドストックが多い
- 在庫が多いことに罪悪感がない
- 仮払金が多く管理不十分
- 貸付金もルールがなく放置されている
- 資金不足になると経理部はすぐに借入に走る(まず、内部からの資金捻出を図ることが必要)
- 経営トップが公私の区別ができずドンブリ勘定である
財務体質強化の方策は、まず、自己資本を増やすことである。安定性としては自己資本が一番であり、他人資本は金融情勢や会社の財務内容によって金融機関の貸付姿勢に変化が生じるので、決して安定的とはいえない。
いかに自己資本を増やすか、すなわち利益を出すか・増資をするかが最も大きな財務体質改善のポイントである。
安定的資金源泉である増資と自己金融(利益+減価償却費)により体質改善を進めていくことは、銀行からの信頼が得られることにつながり、資金調達が容易かつ有利となる。
具体的には、今後の投資を減価償却費の範囲内とすれば、利益で借金を返済していくことができ、資金は捻出できる。
長期と短期の資金使途と源泉の望ましい姿を図示すると、次のとおりである。
著者
石田 昌弘(元オムロン株式会社経理部長)
2011年12月末現在の法令等に基づいています。
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