ビジネスわかったランド (経理)
資金繰りと資金管理
貸し渋りにどう対応すればいい?
公的金融機関に頼る前に改善すべき点はないか、まずは検討しましょう。
●「みんな業況が悪い」「苦しいから助けろ」とはいわないように
サブプライムローン問題に端を発するアメリカの金融危機の影響が日本にも出てきています。特に、マンション開発などの不動産業者がその煽りを受けている状況で大型倒産が相次いでいます。
ただ、最近の国内の景気状況では、業種を問わず資金繰りに苦しんでいる会社がたくさんあります。そこで経営者が銀行員にいうのが、「ウチだけが苦しいのではない、ウチは悪くない、だからお金を貸してくれ」といったセリフです。
気持ちは痛いほどわかるのですが、このようなセリフを銀行員は耳にタコができるほど聞いています。「またか」と拒絶反応にも似た気持ちになって、応援する気も失せてしまうようです。
●冷たい態度をされたら、逆にアドバイスを求めてみよう
銀行員と話をしていて、そっけないというか、以前のような親密さを感じないことがあるかもしれません。そんなときには、「ウチも貸し渋りの対象か?」とズバッと聞いてみてもいいかもしれません。
たとえ社交辞令でも、「いえいえ、そんなことありません」と答えてくれるなら上出来です。もちろん、こういった言葉を100%信用することはできませんが、人間は自分の言った言葉に対しては、ある程度の責任を持とうとします。したがって、「そんなことありません」と答えてくれた銀行の担当者に融資の相談をすれば、ある程度、頑張ってくれるのではないかと思われます。
しかし、逆に「う~ん、残念ながら・・・そうです」といわれてしまったらどうでしょう?
そんなときは、「ウチはどこを改善すればいいと思う?」「うちの会社のムダはどこかな?」とアドバイスを求めてみてはいかがでしょうか。また、「業況のいい会社とウチとはどこがちがうと思う?」「業況のいい会社は、どんなところにお金を投入しているのか?」と質問して、自社が改善に向けて取り組む姿勢をアピールするのも1つの方法です。
●貸し渋りのセーフティーネットは公的金融機関
貸し渋り対策で、最も味方になってくれるのは、やはり信用保証協会などの公的金融機関です。しかし、それは切り札としてとっておき、まずは、銀行を味方につけておきたいものです。そのためには、常に融資先を開拓している銀行員に対し取引先の顧客を紹介してあげるなどすれば、あなたの会社に足を向けてくれることでしょう。ギブアンドテイクで一肌脱いでやってこそ、銀行員もあなたの会社のために汗をかいてくれるというものです。
著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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