ビジネスわかったランド (経理)

資金繰りと資金管理

赤字でも資金調達できるのか?

赤字であっても、資金調達ができることがあります。事業計画書によって銀行に応援してもらいましょう。

●赤字でもお金を借りられる?
赤字企業が融資を引き出すのは簡単なことではありませんが、最初からあきらめてしまうのもどうかと思います。
まずは、赤字の原因にもよります。たとえば、引退する取締役に対して役員退職金を支払って赤字になった場合など、本業自体で損失を出していないケースなどは、銀行側も本来の赤字とは見ておらず、特に気にする必要はありません。
しかし実際には、このようなケースはごく少数で、不本意ながらも本業で赤字を計上する中小企業が多くなっています。

●2期連続赤字でなければいいのか?
信用保証協会などの公的な金融機関などでは、2期連続赤字となれば無担保・無保証の融資が受けられないなど、融資条件が厳しくなることもあるので注意が必要です。
では、2期連続赤字でなければいいかというとそうは問屋が卸しません。たとえ1期だけの赤字だったとしても、いや黒字経営を続けていても、大口の得意先の倒産などでもはや再建不可能と銀行から判断されてしまえば、融資がストップすることも珍しくありません。
さらにいえば、本来すべき減価償却をしていない、役員報酬が世間の一般的な相場からしても著しく低いなど、本来赤字であるところを無理やり黒字にして決算書を作成しているケースでは、融資がストップする可能性があります。

●事業計画書次第では融資してもらえることも
しかし、赤字だからといってあきらめる必要はありません。
過去の決算書が赤字でも、未来を示す事業計画書が実現可能なものならば、銀行が応援してくれることがあるからです。
新しい販路を開拓したとか、新商品を開発したといった売上が上がる方策や、営業費や人件費などの大幅なカットを行なうなどのリストラにより営業利益が増加するといった事業計画書を提出すれば、門前払いといった事態は避けられると思います。
精神論的な話になりますが、まずは「赤字からどう脱却するのか」という意気込みを銀行は知りたいのです。ですから、企業側も赤字だからと簡単にあきらめず、銀行の融資以前の問題として、会社をどうやって将来に向かって発展させていくかという「やる気」や「意気込み」を、真剣に考えてほしいと思います。

 

著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。