ビジネスわかったランド (経理)
資金繰りと資金管理
銀行以外からの資金調達方法は?(その1)
補助金や助成金は審査をクリアしないと受け取れません。
●生命保険の契約者貸付を利用する
銀行以外の金融機関から融資を受けるのは、銀行以外にそういう融資制度がないので困難ですが、生命保険の契約者貸付は利用することが可能です。
貯蓄性が高くて、かつ税金対策になる生命保険に加入している場合に、その生命保険の解約返戻金の80~90%を借りることができます。もともと自分自身が払い込んで蓄積したお金を借りるカタチとはいえ、税金の繰り延べ効果があり、かつ、保険本来の機能である万一の保障を持ち続けながら、当面の資金を工面することができます。
●ベンチャーキャピタルなどから投資してもらう
かつては、ベンチャーキャピタルから投資をしてもらうことが流行った時期もありましたが、最近は下火のようです。
ただ、ベンチャーキャピタルは、返済可能なお金を融資するのではなく、返済不要のお金を企業に投資するわけですから、当然にその審査は銀行の融資以上に厳しいもののようです。
また、“将来的には上場する”といった計画も必要となるので、タダでお金を調達するのは不可能ではないにせよ、ハードルは高いものです。
●公的な補助金・助成金を活用する
意外に知られていないのが、公的な補助金や助成金などです。補助金・助成金と言葉はちがいますが、基本的には同じもので、返済不要の資金です。
当然ながら、どんな場合にもお金をもらえるわけではありません。たとえば、厚生労働省関係の助成金ならば、高齢者を雇用するといった条件などをクリアする必要があったりします。また、経済産業省関係の助成金ならば、斬新な研究開発にかかる費用に対し助成されるので、それに伴う審査をクリアしないと獲得できません。
厚生労働省などの省庁のほか、都道府県や市区町村などからの助成金や、民間企業などの助成金もあります。
助成金の情報は、インターネットで検索するほか、厚生労働省関係ならば社会保険労務士に、経済産業省関係ならば中小企業診断士などの専門家に聞いてみるのもいいでしょう。
厚生労働省の助成金には、近年増加しているフリーターやニートの積極雇用などの支援目的で支給されるものがあります。また、団塊世代の離職者の雇用に助成金を出す自治体もあります。助成金目当ての雇用は論外ですが、求職者の中に優秀な人材はいると思います。
こういった若者や高齢者を雇用する場合に助成金を申請すれば、支給対象となる可能性もあるので、正社員採用時には、社会保険労務士に相談してみるのもいいでしょう。
著者
石橋 知也(資金調達コンサルタント)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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