ビジネスわかったランド (経理)
現金、手形等の管理
外貨建支払手形の経理処理の仕方は
外貨建支払手形は、企業会計審議会が決定した「外貨建取引等会計処理基準」に従って、次のように処理する。
手形に対して支払うべき貨幣
手形金額が外国通貨で表示されているときは、その外国通貨で支払うこともできるし、満期日の換算レートで換算した金額を内国通貨で支払うこともできる。
この場合、外国通貨、内国通貨というのは、支払地を基準にしている。たとえば、日本で振り出した手形であっても、支払地がアメリカであれば内国通貨は米ドルであり、日本円は外国通貨となる。
ただし、債務者の相場変動の悪用を防ぐため、債務者が支払いを遅延したときは、手形所持人の選択により、満期日の換算レートか支払日の換算レートで換算できる。
振出人によって支払通貨を特定している場合や換算レートを特定している場合は、これに従わなくてはならない。換算レートについてとくに指定がない場合は、換算レートの決定方法は支払地の慣習に従うこととなるが、日本では銀行間の交換レートが発表されるので、通常、これを使用することになる。
たとえば、振出国と支払国で同名異価を有する通貨については、支払地の通貨が手形金額であると推定する。アメリカで振り出し、オーストラリアで支払う旨の記載がされている手形の場合は、手形金額がドル表示であれば、それは米ドルではなく豪ドルと推定されることになる。
外貨建支払手形の会計処理
外貨建支払手形は、外貨建取引等に係る包括的・一般的な会計処理および財務諸表表示に関する基準として、企業会計審議会が設定した「外貨建取引等会計処理基準」に従って処理する。具体的には貿易取引における荷為替手形を想定するが、これらは、実務上、支払手形の認識ではなく、買掛金として処理されるのが通常である。
1.振出時(入荷時と同時と仮定)
原則として取引時の換算レートを用いて会計処理を行なうが、為替予約があるときは予約レートによる。
(借)仕入 ××× (貸)買掛金 ×××
2.決済時
原則として決済時のレートで会計処理をする。為替予約があるときは予約レートによる。取引時レートと決済時レートの差に基づく損益は、当期の為替差損益として処理する。
決算期末における評価
前述のように、外貨建支払手形は、外貨建取引等会計処理基準に従って処理されるが、具体的には、次のように取り扱う。
1.為替予約または通貨先物が付されていないとき
外貨建金銭債権債務は、決算時の為替相場による円換算額を付することとされている。
つまり、期末の為替レートにより換算替えを行なう。決算時における換算によって生じた換算差額は、当期の為替差損益として処理する。
(借)買掛金 ××× (貸)為替差損益 ×××
2.為替予約または通貨先物が付されているとき
本邦通貨による個別予約等が付されていること、または包括予約等が振り当てられていることにより、決済時における円貨額が確定している外貨建金銭債権債務については、当該円貨額を付すこととされている。
つまり、為替予約等が存在する外貨建支払手形は、予約レートで評価するため、取引時に当該予約レートで、換算している場合は、取引時のレートのままにしておき、換算替えは行なわない(仕訳なし)。
著者
田邉 太郎(公認会計士・税理士)
2011年1月末現在の法令等に基づいています。
手形に対して支払うべき貨幣
手形金額が外国通貨で表示されているときは、その外国通貨で支払うこともできるし、満期日の換算レートで換算した金額を内国通貨で支払うこともできる。
この場合、外国通貨、内国通貨というのは、支払地を基準にしている。たとえば、日本で振り出した手形であっても、支払地がアメリカであれば内国通貨は米ドルであり、日本円は外国通貨となる。
ただし、債務者の相場変動の悪用を防ぐため、債務者が支払いを遅延したときは、手形所持人の選択により、満期日の換算レートか支払日の換算レートで換算できる。
振出人によって支払通貨を特定している場合や換算レートを特定している場合は、これに従わなくてはならない。換算レートについてとくに指定がない場合は、換算レートの決定方法は支払地の慣習に従うこととなるが、日本では銀行間の交換レートが発表されるので、通常、これを使用することになる。
たとえば、振出国と支払国で同名異価を有する通貨については、支払地の通貨が手形金額であると推定する。アメリカで振り出し、オーストラリアで支払う旨の記載がされている手形の場合は、手形金額がドル表示であれば、それは米ドルではなく豪ドルと推定されることになる。
外貨建支払手形の会計処理
外貨建支払手形は、外貨建取引等に係る包括的・一般的な会計処理および財務諸表表示に関する基準として、企業会計審議会が設定した「外貨建取引等会計処理基準」に従って処理する。具体的には貿易取引における荷為替手形を想定するが、これらは、実務上、支払手形の認識ではなく、買掛金として処理されるのが通常である。
1.振出時(入荷時と同時と仮定)
原則として取引時の換算レートを用いて会計処理を行なうが、為替予約があるときは予約レートによる。
(借)仕入 ××× (貸)買掛金 ×××
2.決済時
原則として決済時のレートで会計処理をする。為替予約があるときは予約レートによる。取引時レートと決済時レートの差に基づく損益は、当期の為替差損益として処理する。
決算期末における評価
前述のように、外貨建支払手形は、外貨建取引等会計処理基準に従って処理されるが、具体的には、次のように取り扱う。
1.為替予約または通貨先物が付されていないとき
外貨建金銭債権債務は、決算時の為替相場による円換算額を付することとされている。
つまり、期末の為替レートにより換算替えを行なう。決算時における換算によって生じた換算差額は、当期の為替差損益として処理する。
(借)買掛金 ××× (貸)為替差損益 ×××
2.為替予約または通貨先物が付されているとき
本邦通貨による個別予約等が付されていること、または包括予約等が振り当てられていることにより、決済時における円貨額が確定している外貨建金銭債権債務については、当該円貨額を付すこととされている。
つまり、為替予約等が存在する外貨建支払手形は、予約レートで評価するため、取引時に当該予約レートで、換算している場合は、取引時のレートのままにしておき、換算替えは行なわない(仕訳なし)。
著者
田邉 太郎(公認会計士・税理士)
2011年1月末現在の法令等に基づいています。
キーワード検索
タイトル検索および全文検索(タイトル+本文から検索)ができます。
検索対象範囲を選択して、キーワードを入力してください。