ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

修飾語は直前に置く
書いている人は、すべての関係を分かっています。だからつい、思いついた順に書いてしまいがちです。しかし、読む人は何も知らないので、書かれた順に言葉を受け止め、理解するしかないのです。
この点で特に注意を要するのは、修飾語の位置です。修飾語は、なるべく被修飾語の直前に置くようにしましょう。
  • 山田は5オーバーでかろうじて優勝の翌週に予選落ちという不名誉を免れた
  • 先週優勝した山田は5オーバーで、予選落ちという不名誉をかろうじて免れた
これはプロゴルフの2日間の予選が終わったときの記事です。この「かろうじて」は「免れた」の直前に置くべきです。原文は一瞬、「かろうじて優勝」したのかと誤解させてしまいます。
  • 他の日曜日に練習する必要がある部に呼びかけて、日曜日の練習を許可してほしいと一緒に大学に申請した。
  • 日曜日に練習する必要がある他の部に呼びかけて、日曜日の練習を許可してほしいと一緒に大学に申請した。
「他の」は「部」を修飾する言葉ですから、その直前に持ってくるべきです。原文は、「他の日曜日」とも読めてしまいます。
  • なぜ、父への反抗を自分の存在理由にしてきた彼女が、今回は父からの命令を受け入れたのだろうか。
  • 父への反抗を自分の存在理由にしてきた彼女が、今回は父からの命令をなぜ受け入れたのだろうか。
読み手は「なぜ」を読んだ後、その言葉がどこにかかるのだろうかと、いちいち言葉をチェックしながら読み進むことになります。そしてようやく「受け入れた」にたどり着きます。読み手に余計な頭を使わせないようにしましょう。次の例も同じです。
  • 私は一番、娘が旅をしながら自分と父親とを比べている場面が印象的だった
  • 私は、娘が旅をしながら自分と父親とを比べている場面が一番印象的だった
  • 彼はすべて人生が狂ったのは、病気のせいだと考えるようになった。
  • 彼は人生が狂ったのは、すべて病気のせいだと考えるようになった。