ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

[読点の打ち方] 隣同士の修飾語の間に
これは隣り合った修飾語同士が、想定外の修飾・被修飾の関係を持ってしまって、別の意味になってしまうのを防ぐケースです。

色の文章は改善案>

  • これは当社がデザインした婦人服用のボタンです。
  • これは当社がデザインした、婦人服用のボタンです。
「ボタン」の前に、「当社がデザインした」という修飾語と、「婦人服用の」という修飾語が付いていますが、「当社がデザインした婦人服」と続いてしまったために、デザインしたのはボタンではなく婦人服であるとも取れてしまいます。
2つの修飾語の間に読点を打つと、誤解を避けることができます。

この場合には、次のように語順を入れ替えたり、2つの文に分けるのもいい方法です。
  • これは、婦人服用に当社がデザインしたボタンです。
  • これは当社がデザインしたボタンです。婦人服用です。
  • 粘り強く努力するという人として大切な姿勢を学んだ。
  • 粘り強く努力するという、人として大切な姿勢を学んだ。
「粘り強く努力するという姿勢」「人として大切な姿勢」と書いたつもりでしたが、読点がないと「努力するという人」と読んでしまいそうです。
  • 去年亡くなった先輩の奥さんには、とてもお世話になった。
これでは先輩が亡くなったのか、奥さんが亡くなったのかが不明確なので、困った誤解が生じかねません。
  • 去年亡くなった、先輩の奥さんにはとてもお世話になった。
  • 去年亡くなった先輩の、奥さんにはとてもお世話になった。
こうすれば、最初の改善案は奥さんが亡くなり、次の改善案は先輩が亡くなったことが分かります。ただし内容が内容なだけに、この場合には次のように2つの文に分ける方が安全かもしれません。
  • 先輩の奥さんは去年亡くなった。とてもお世話になった。
  • 先輩は去年亡くなった。その奥さんにはとてもお世話になった。
隣り合った修飾語同士が結び付いて別の意味を生ずることがないかを、チェックしてください。