ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

[読点の打ち方] 別の意味に取られないために
読点の有無によって、あるいは読点の位置によって、別の意味になってしまうことがあります。

色の文章は改善案>

  • 思いがけない場所である人と出会った。
  • 思いがけない場所、ある人と出会った。
「である」と続けて読まれるのを避けるために、読点を打ちました。
  • さまざまな問題がありそう簡単には事が運ばないと思う。
  • さまざまな問題があり、そう簡単には事が運ばないと思う。
「ありそう」と読まれるのを防ぎます。
  • 子供の時からよく本を読む人は大成すると聞かされてきた。
  • 子供の時からよく本を読む人は、大成すると聞かされてきた。
  • 子供の時から、よく本を読む人は大成すると聞かされてきた。
最初の改善案は「子供の時からよく読む」であり、次の改善案は「子供の時から聞かされてきた」です。
  • この人のような人に希望を与えられる仕事に就きたい。
  • この人のような人に、希望を与えられる仕事に就きたい。
  • この人のような、人に希望を与えられる仕事に就きたい。
最初の改善案の「この人」は人から希望を与えてもらう人ですが、次の改善案の「この人」は人に希望を与える人です。
  • 課長は真剣な顔をして議論を続ける部下たちを見守っていた。
  • 課長は真剣な顔をして、議論を続ける部下たちを見守っていた。
  • 課長は、真剣な顔をして議論を続ける部下たちを見守っていた。
最初の改善案は、課長が真剣な顔で見守っており、次の改善案は、部下が真剣な顔で議論しています。課長は微笑んでいるかもしれません。
この文例は、高橋昭男『仕事文の書き方』(岩波新書)の中にあった教授と学生に関する文例をアレンジしたものです。