ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

[読点の打ち方] 長めの「主語」の切れ目に
長めの主語を持つ文は、「Aが(は)、Bである」という文の構造が一目で分かるようにすると、読みやすくなります。

色の文章は改善案>

  • 勇気がなくて話したくても自分から英語で話しかけることができなかった学生がその後あるアメリカ人と仲良くなった。
  • 勇気がなくて話したくても自分から英語で話しかけることができなかった学生が、その後あるアメリカ人と仲良くなった。
このように間に1つ読点があるだけで、読み始める前からそこに意味の切れ目があることが分かります。
  • 業務文書を書く際に、気をつけていることは読み手の立場に立って簡潔に書くことである。
  • 業務文書を書く際に気をつけていることは、読み手の立場に立って簡潔に書くことである。
ここでは「書く際に気をつける」を読点で分断せずに、「Aは、Bである」という文の構造を示しました。
  • 当社で働く人たちの多くは地元で生まれ育った人だ。
  • 当社で働く人たちの多くは、地元で生まれ育った人だ。
  • 日々の地味な努力の積み重ねがやがては大きな成果を生む。
  • 日々の地味な努力の積み重ねが、やがては大きな成果を生む。
  • 空襲で焼け野原になった、晴天の姫路の丘にそびえる白鷺(しらさぎ)城の美しさが今も脳裏に焼き付いている。
  • 空襲で焼け野原になった姫路の丘にそびえる白鷺城の美しさが、今も脳裏に焼き付いている。その日は晴天だった。
「焼け野原になった姫路の丘」を読点で分断せず、代わりに長めの主語の後の「美しさが」で読点を打つと、落ち着いて読めます。
「白鷺城」の前に多くの修飾語が連なっていますので、「晴天の」という修飾語を別の文にして後に添えれば、さらに読みやすくなります。
(原文は、『日本経済新聞』2012.10.3 根岸英一「私の履歴書」)

「私は、」のように主語の後に自動的に読点を打つ人がいますが、短い主語の後には、必ずしも読点は必要ありません。