ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

ぼやかして書かない
あるテレビ番組で、若い女性アナウンサー3人が東京日本橋の室町小路をたどるのを観ていましたら、1人のアナウンサーがある建物に目を止めて、「これ、料亭とかみたいな感じ?」と言いました。間違って恥をかきたくないので、「とか」「みたいな」「感じ?」と何重にも防衛ラインを張ったのかもしれませんが、その話し方のほうがかえって恥ずかしいように思いました。
何かを伝えることを目的とした文章を書くときには、ぼやかしたりせずに、ストレートにはっきりと表現しましょう。
  • 最初のうちは、会社の規則や先輩から教えられる中で、業務をこなす感覚だと思います。
  • 最初のうちは、会社の規則や先輩から教えられるやり方を守って業務をこなすだけで、精一杯だと思います。
ここでは特に、「感覚だ」という表現が何を意味するのかが曖昧です。上の女性アナウンサーが口にした「感じ」に似ています。改善例は、言いたかったであろうことを推し量りながら、ストレートに書いてみました。
上の例の場合、「中で」は多分「教えられながら」というような意味で使ったのでしょうが、この書き手には、「中で」を次のように曖昧なつなぎ語として多用する傾向がありました。
  • 多くのお客様と接する中で、接客のプロとして認められるようになりたいと思います。
  • 多くのお客様と接して経験を重ねながら、接客のプロとして認められるようになりたいと思います。
  • 10年後も仕事を続けている中でいつも初心を忘れず、笑顔を大切にして接客に励みたいと思います。
  • 10年後もいつも初心を忘れず、笑顔を大切にして接客に励みたいと思います。
このようにはっきり書いたことが適切ではないともし批判を受けたら、その批判を肥やしにしましょう。
  • 自分の手で野菜をつくったりすることは、植物の大切さなどを改めて実感することができるようになると思う。
  • 自分の手で野菜をつくれば、植物の大切さを改めて実感することができると思う。
これも、「つくったり」「など」とぼやかさずに、はっきりと書きましょう。また「つくることは、実感することができる」では、前半と後半がかみ合いません。