ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

読み手に頭を使わせない
文章は、「最後まで読んで考えれば、分かるはずだ」ではいけません。「考えなくても、読むそばからスラスラ分かる文章」が、いい文章です。
読むときには頭を使って当然だと思うかもしれませんが、それは書かれたことが分かった後の話なのです。文章を読むことは、単に他人の思想の後をたどる受身の作業ではありません。読むことによってあれこれ思いがふくらみ、自分の考えが展開するきっかけを与えてくれるものです。それが文章を読むことの楽しさです。
その段階では大いに頭(想像力、創造性)を働かせたいものですが、そこに至る以前に、つまり書かれた言葉の意味を理解するためには、頭を使いたくないものです。ましてや、「何を言いたいのか分からない」と思って、何度も読み返し頭を悩ますのは、ただ腹立たしいだけです。

社会の中で皆さんが文章を書くときに、読み手を腹立たしい思いにさせることがあっては、皆さんの価値がどんどん下がるばかりです。その反対に、「そうだ、そうだ。よく分かる」と思って、快く読んでもらえるような文章をぜひ書きましょう。

阿部 紘久(エッセイスト 元米国系企業CEO)