ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

何でも「ことで」でつながない
このごろのテレビ放送には、「ことで」が氾濫しています。さまざまな原因や前提や手段を、「ことで」1つで表わす風潮が生まれているからです。その影響だと思いますが、文章にもやたらに「ことで」が目立つようになりました。
  • オリンピックが開催されることで、外国人観光客が増える。
  • オリンピックが開催される、外国人観光客が増える。
  • 外国人と接する機会が増えることで、外国語力が向上する。
  • 外国人と接する機会が増えれば、外国語力が向上する。
  • 身近に外国語が存在することで、外国語に対する嫌悪感も薄れる。
  • 身近に外国語が存在すれば、外国語に対する嫌悪感も薄れる。
  • 互いに相手の国を理解することで、経済的交流も活発になる。
  • 互いに相手の国を理解することによって、経済的交流も活発になる。
他にも多くの「ことで」の例に出合います。
  • 常にアンテナを張ることで情報収集をしたい。
  • 常にアンテナを張って情報収集をしたい。
  • 出身地や趣味など、相手のことを知ることで会話のきっかけになる。
  • 相手の出身地や趣味などを知れば、会話のきっかけになる。
  • 店に足を運んでもらうことで、「ついで買い」という相乗効果も期待できる。
  • 店に足を運んでもらえれば、「ついで買い」という相乗効果も期待できる。
  • 一緒にいることで多くの刺激を受けられます。
  • 一緒にいると多くの刺激を受けられます。
「ことで」は元来、「この地は、夏の暑さが厳しいことで知られている」のような場合に、さりげなく使われる言葉であったのではないでしょうか。
何でも「ことで」1つですますと、単調で安易な印象を与えてしまいます。せっかく多様な表現があるのですから、状況に応じて適切な言葉を使い分けましょう。