ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
恥をかかない「敬語」のルール
敬語が重なるときは前のほうを省略してもかまわない
敬語は言うまでもなく、相手への敬意を示すものですが、あまり多用するとかえってわずらわしい印象を与えます。
とくにビジネスでは、余計な敬語はなるべく省き、スマートにいきたいものですが、省略するにもやはりルールがあります。
基本的には、「前に出てくるものを省略してあとのほうに敬語をつける」と収まりもよく、失礼になりません。
たとえば、「社長はお車で行く」というのは落ち着きの悪い表現ですし、失礼にあたります。これをルールにのっとって言い換えると、「社長は車で行かれる」となります。
最も丁寧な言い方は、「社長はお車でいらっしゃる」となります。
「頭でっかち尻すぼみ」のごとく、あとのほうの敬語を欠くと不安定な感じがするので、省略する際には気をつけなくてはいけません。
次の例なども、あとに敬語がないために落ち着きが悪くなっています。
「○○にご出席しますか?」
「ご注文を届ける日ですが……」
「お日にちの変更ですか?」
この場合は、
「○○に出席なさいますか?」
「注文のお届け日ですが……」
「日にちのご変更ですか?」でよいのです。
ここから言えることは、あとに来る敬語は前の部分をも総括するのですが、最初の敬語はあとには及ばないということです。
そうした意味からも、最初は省略しても最後は敬語で締めくくるようにしてください。こうすることで、最小限の敬語が効果的に生きてきます。
白沢節子
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