ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

恥をかかない「敬語」のルール

紛らわしい“られ敬語”は使わない
敬語表現の中でも混乱を生じやすいものに、「れる」「られる」を使う、いわゆる“られ敬語”があります。
たとえば、こんな話があります。
ある若い社員が年配のお客様と雑談中、お客様が「今度の日曜日に○○山に登る」と言ったので、すかさず「お一人で行かれますか」と聞いたところ、相手が「体力は十分にある。○○山ぐらい一人で行かれるわい」と怒り出してしまったというのです。
これは、若い社員は「一人で行くのですか」と質問したのに、相手が「行くことができるのか」と、可能の意味に解釈したために生じた悲喜劇です。
こんな場合は、「行かれますか」を「いらっしゃいますか」「おいでになりますか」などと言い換えていれば、相手に誤解されることも怒らせることもなかったはずです。
このように「行かれる」「見られる」など、「れる、られる」の助動詞は、尊敬の意味のほかに可能、受身の意味もあるので、日常会話ではあまり使わないほうが賢明といえます。


白沢節子