ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

恥をかかない「敬語」のルール

「ちょっと」ではなく「少々」を使う
ビジネスの場で用いられる言葉は、日本語の表現として正確でなければならないのは当然です。それとともに、ニュアンスとして折り目正しい響きを持っているということも重要です。
たとえば、電話を取り次ぐ際には、「ちょっと(少し)お待ちください(ませ)」ではなく、「少々お待ちください(ませ)」と言うのが、適切な表現です。
こう言うと、どちらも意味はまったく同じではないか、と首をかしげる人もいるかもしれません。
しかし、この二つの言葉を比較してみると、「ちょっと」「少し」は多少くだけた口語的な表現で、「少々」は文語的表現ということができます。
つまり、ビジネスの場では同じ意味の言葉が複数ある場合は、最も折り目正しい響きを持つものがふさわしいのです。
例をもう一つあげましょう。
来社したお客様への対応では、「○○は今すぐ来ます」ではなく、「○○はただ今まいります」というように、「今すぐ」ではなく「ただ今」と言うのが折り目正しい言葉遣いなのです。
とりわけ、学生時代に流行語や俗語を頻繁に使っていて、その癖が抜けきらない場合、こうした語句の使い分けはむずかしいかもしれません。
でも、これは理屈ではなく、そうした言い回しに慣れることが必要なのです。そのためには、周囲の人の上手な話し方をマネするのも一つの手です。


白沢節子