ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

恥をかかない「敬語」のルール

「お~なる」「お~する」の区別を知っておく

社会人になりたての若い人たちの中には、敬語に悩む人が多いそうです。とくに間違えやすいのが「尊敬語」と「謙譲語」で、これを混同して使っている例がしばしば見受けられます。たとえば、次のような具合です。
ある若い社員が、上司への来客を応接室に案内し、「課長はまもなく参りますので、ここで少々お待ちしてください」と言いました。
むろんこれは、「お待ちになってください」「お待ちください」が正しい言い方です。
つまり、この社員は謙譲語と尊敬語を取り違えて使ってしまったわけです。なぜ、こんな単純な誤用をしたかといえば、要するに動作を表現する尊敬語と謙譲語の“使い方”を十分に理解していなかったからにほかなりません。
相手を敬って、その人の動作を表す尊敬語は、「お(ご)~なる」もしくは「お(ご)~れる」です。
一方、へりくだって自分の動作を表す謙譲語は、「お(ご)~する」です。
以上の二つの公式をよく覚えて、あいだに具体的な動作を表現する言葉、たとえば「待つ」などを入れれば、不用意な取り違えもなくなるはずです。
なお、こうした尊敬語と謙譲語の公式を身につけることが、社会人としての“基本のキ”であることをあらためて強調しておきます。



 
白沢節子