ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

恥をかかない「敬語」のルール

社外と話すときは社内の人間は呼び捨てる

日本の社会では、同じ会社で働く人同士、トップ以下全員を身内同然と考える風潮があり、社外の人に対して社内の人のことを話すときは、尊敬語を使わないのがルールです。
たとえば、「○○部長さん、いらっしゃいますか」と社外の人に聞かれ、自分よりかなり地位が高いからといって「はい、○○部長さんはただいま、お出かけになっていらっしゃいます」と答えたら、常識を知らない人と思われます。
このときは当然、「○○はただいま、外出しております」となります。苗字を呼ぶときはたとえ上司や社長であっても、社外の人に対しては「○○は」というように呼び捨てにします。
社内の地位が高い人を呼び捨てにはしにくいのであれば、「部長の○○」「社長の○○」と言ってもかまいません。
この原則は、地位の高い人や上司が同席しているときも同じです。
たとえば、「今、(部長の)○○が申しましたように、当方はお宅さまのご決裁を急いでおりますので」という形になります。
この場合、すぐ横にいる部長を呼び捨てにしたら、失礼にあたらないかなどという心配は無用です。
もし部長に遠慮して「○○部長がおっしゃったように……」などと言えば、部長が恥をかいて、かえって肩身の狭い思いをさせてしまうことになります。
とくに女性の場合、上司の苗字を呼び捨てにすることをためらうのか、つい社内の人間に尊敬語を使ってしまう人が多いのですが、この場合は割り切って言うことが肝心です。


白沢節子