ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

みんなが言いたかったことをスパっと言う
テレビで、コメンテーターが、「普通だと言いにくいこと」をスパッと言ってくれると、「そうそう、それが言いたかった!」とスカッとしますよね。会議などでも、みんなが「本心では言いたいけれども、言えなかったこと」を、誰かがスパッと言うと、それだけで、「あいつはデキるな!」と思われます。
タイトル、見出し、キャッチコピーなどでもそれは同じです。「みんなが言いたかったこと」をスパッと言うと、多くの受け手から、「そうそう!」と共感してもらえるのです。
「みんなが言えないのに言いたかったこと」をスパッと言うのは、簡単そうでハードルが高い技です。会議など閉じられた場ではできても、大勢の人がいるところでは、誰しもが言いたくても言えなかったフレーズを見つけ出すのは難しいものです。逆に言うと、それを見つけ出すことができれば、多くの人の気持ちをキャッチすることに成功できるのです。
テレビのCMでも、キャッチコピーで「みんなが言いたかったこと」をスパッと言い切ると、話題になる可能性が高まります。

見本:カゼは社会の迷惑です

見本:亭主元気で留守がいい

「カゼは社会の迷惑です」は風邪薬、「亭主元気で留守がいい」は防虫剤のCMのコピーでした。どちらも1980年代、流行語になるくらい話題になったものです。

また、本のタイトルのように、それが商品名である場合も、「みんなが心の中で思っているけど、言葉にできていないこと」をスパッと言えることができたら、それだけでヒットする確率は高まります。

見本:『「いい人」をやめると楽になる』

『「いい人」をやめると楽になる』(曽野綾子著)はベストセラーのタイトルです。みんな薄々思っていた、「いい人でいるのは疲れる」「いい人でいると損する」という感情を、スパッと言ったタイトルに、多くの人は「そうなんだよな……」と共感しました。

「みんなが思っていることをスパッ」と言うテクニックは、勇気がいりますが、決まるとインパクトのある言葉が生まれます。まずは、ツイッターなどで試してみてはどうでしょう。どのような言葉を書くと反響があるかを見極めるのに、ツイッターはとてもよいツールです。

川上 徹也(湘南ストーリーブランディング研究所代表)