ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
文章を「分かりやすく伝える」テクニック
予言してしまう
未来の出来事や様子を、予言して言い切ると、「へー、そうなんだ」と勝手に納得してもらえることがあります。どんな人であろうと、確実な未来を予測できる人はいません。だからこそ、リスクを負って、予言して言い切ることで、心に残る言葉が生み出せるのです。
好き嫌いや信じる信じないは別として、占い師や霊媒師の言葉には、説得力があります。それは、不確かな未来を断言して予言してくれるからです。人間は、他人に自信を持って断言されると、つい信じてしまう、という習性があります。流行の情報を紹介しているWebサイト『トレンド・キャッチ! DX』のコピーを例に見てみましょう。
普通:この春夏は「ブーサン」が流行するかもしれない!↓
見本:この春夏は「ブーサン」が来る
健康食品などの場合、薬事法の関係で直接的な効果を訴求することが禁止されています。それゆえ、その健康食品を食べたり飲んだりすることにより、「直接的に○○な効果がある」という表現はできません。それでも、予言して言い切ることで、効果がありそうと思ってもらうことはできます。近い例として、ZENZOという宿泊施設のダイエット温泉宿泊プランのキャッチコピーを見てみましょう。
普通:ポッコリお腹をへこませるには?↓
見本:夏までにポッコリお腹にさようなら!
「予言する」というテクニックは、本のタイトルでも有効です。
普通:『健康のために、体温を上げましょう』↓
見本:『体温を上げると健康になる』
しかも、やるべきことの前提は、「体温を上げる」という誰にでもできそうなことです。それによって、「健康」という誰もが関心のある未来を約束してくれるのですから、多くの人が興味を持ったのは当然かもしれません。
このような「やるべき前提を示してから予言する」というテクニックは、仕事全般でも幅広く使えます。得意先に「自社のシステムの導入」を勧める提案書のタイトルを例に考えてみましょう。
普通:○○システム導入のご提案↓
見本:○○システムを導入すると、利益率が5%上がる
この項の冒頭に、「占い師や霊媒師が人気があるのは、未来を予言してくれるからだ」と述べました。しかし、ただ未来を予言するだけでは、人気の占い師や霊媒師にはなれません。人気がある占い師や霊媒師は、根拠を示すのが上手なのです。
根拠を示す手段は、「手相」「カード」「星まわり」「霊感」「オーラ」「前世」など何でもかまいません。それが受け手にとって納得できる根拠かどうかがポイントです。
仕事でもそれは同じです。キャッチコピーやタイトルなどで予言することで、受け手の気持ちを引きつけることができます。しかし、そこからビジネスにつなげるには、どれだけ受け手を納得させる根拠を示せるかどうか、にかかってくるのです。
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