ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)
文章を「分かりやすく伝える」テクニック
気持ちを込める
言葉を使って、人の気持ちを動かそうと考えると、つい、いろいろなテクニックに走ってしまいがちです。しかし、言葉が一番力を持つのは、そこに発信者の強い気持ちが込もっているときです。伝えたい強い思いを、気持ちを込めてストレートに吐き出すことは、とても大切です。
気持ちを込めたフレーズは、人の心を動かします。とくに普通は建て前の言葉を使用することが多いシチュエーションで、思わぬ効果を生むことがあります。以下は、大相撲の2001年5月場所で、全治2カ月の重症に負けず優勝した貴乃花に、小泉純一郎首相(当時)が、内閣総理大臣杯を授与したときの言葉です。
普通:怪我を乗り越えての優勝、本当におめでとうございます。↓
見本:痛みに耐えてよく頑張った! 感動した! おめでとう!
これ以外にも、小泉元首相は気持ちを込めたフレーズで、人の気持ちを動かすのが得意な政治家でした。政策への賛否等は別にして、「キャッチコピー力」を考える際には、とてもいいサンプルです。
たとえば、以下の有名なフレーズも、ありきたりではない、気持ちの込もった言葉だからこそ話題になったのです。
普通:自民党を解党するくらいの覚悟で臨みます↓
見本:自民党をぶっ壊す
普通:ありえないくらいの(カンフーアクション)↓
見本:ありえねー
気持ちを込めるという手法は、店頭POPなどではとくに有効です。一時期、書店の店頭POPから、ベストセラーがたくさん生まれました。そのはしりと言われているのが、『白い犬とワルツを』(テリー・ケイ著)につけられた店頭POPでした。
見本:何度読んでも肌が粟立ちます
『世界の中心で、愛を叫ぶ』(片山恭一著)も、元々、書店員の手書きのPOPから火がついた本です。さらにこの本をミリオンセラーに押し上げたのは、帯で使われた推薦文でした。
見本:泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました。
発信者の気持ちが強く入っていると、言葉は自然と強くなります。
「絶対に伝えたい」という感情があるときには、そのままストレートに言葉に乗せてみましょう。
ただし自分自身や自社がつくった商品をアピールするときに、この手法を多用すると、ひとりよがりなコピーになる可能性があります。気持ちを込めたコピーを書く場合は、自分に損得のない客観的な立場から発信するほうが圧倒的に効果があります。
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