ビジネスわかったランド (ビジネスマナー)

文章を「分かりやすく伝える」テクニック

スピード感を出す
何かを伝えたいと思うとき、どうしても多くの情報を入れてしまいがちです。コピーに、たくさんの情報や意味を乗せると、どうしても伝わるスピードが遅くなります。
逆にスピードが速いコピーは、一瞬で心に届きます。
60年代、70年代前半のまだテレビが創成期の頃、CMではスピードの速いキャッチフレーズから流行語が数多く生まれました。

見本:・Oh! モーレツ
・ハヤシもあるでよー
・あたり前田のクラッカー!
・う~ん、マンダム
・なんである、アイデアル
・ああ、ちかれたびー

いずれも、意味よりも先に、言葉が感覚的に心に届いてくるフレーズですね。とくに子どもは、スピードの速いフレーズをマネします。上記の流行語も、まず子どもたちから流行したものが多くありました。スピードの速いフレーズは、人に伝達しやすいので、口コミが広がっていきやすいのです。

次の例は、地下鉄の痴漢防止用のポスターの標語です。

普通:痴漢は犯罪です

見本:痴漢あかん

“見本”は、実際に大阪府警が地下鉄などのポスターで使っていた標語です。韻を踏んだ駄洒落的な要素に賛否はあるでしょうが、心に突き刺さるスピードは、“普通”よりも圧倒的に速いことがわかるでしょう。

仕事で、商品のネーミングを考えるときも、「スピード感を出すこと」を意識しましょう。ここでは次の3つの方法をあげておきます。それぞれの例は、いずれも、スピード感のある商品名なので、心に刺さります。

見本:(1) 呼びかけてみる
・お~いお茶
・ごはんですよ!

見本:(2) 駄洒落にしてみる
・ICOCA(行こか)
・ムシューダ(無臭だ)

見本:(3) 機能を商品名にする
・熱さまシート
・のどぬ~るスプレー

川上 徹也(湘南ストーリーブランディング研究所代表)