ポイント解説
労働契約書
労働契約書に必ず明示しなければならない労働条件は次のとおりです。
・就業場所および業務
・労働時間、休日、休暇など
・賃金、昇給などに関する事項
・退職に関する事項
<< 契約書作成ポイント >>
(第1条)
就業場所および従事すべき業務に関する事項は、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。ここでいう業務は特定の部署を指す必要ななく、一般的な意味合いだけでよい。
(第2条~第5条)
始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する事項は必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
労働時間は、1週40時間以内、1日8時間以内(労働基準法第32条)。
変形労働時間制も認められる(労働基準法第32条の2、第32条の4)。
休憩は、6時間につき45分、または、8時間につき1時間(労働基準法第34条)。
休日は、原則として週1回(労働基準法第35条)。
年次有給休暇は、6か月8割以上出勤したときは10日、1年6か月以上は、20日まで次のとおり加算(労働基準法第39条)。
1年6か月……1日
2年6か月……2日
3年6か月……4日
4年6か月……6日
5年6か月……8日
6年6か月以上……10日
(第6条)
賃金の決定、計算および支払方法、賃金の締切りおよび支払時期、昇給に関する事項は、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
(第7条)
基本給を月給とするのか、日給とするのか、その場合の計算方法は、必ず明示しなければならない。
(第9条)
時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当は、必ず明示しなければならない。これらの手当の割増分の最低限度額は、通常の労働時間に対する賃金の2割5分(休日勤務については3割5分)(労働基準法第37条)。
(第10条)
休業手当を定めたときは、明示しなければならない。最低限度額は、平均賃金の100分の60(労働基準法第26条)。
(第11条)
賃金の計算期間も必ず明示しなければならない。
(第12条)
賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、原則として、その金額を通貨で直接労働者に支払わなければならない(労働基準法第24条)。ただし、労働協約に別段の定めがある場合や銀行口座振込、郵便為替といった確実な支払いができる方法であれば、通貨以外の支払いも認められている。支払方法を明らかにしておくことが重要である。
(第13条)
昇給は必ず明示しなければならないが、昇給の方法、昇給額、昇給の時期などについての制限はない。
(第14条)
賞与は定めがあれば記載しなければならないが、賞与を支給するかどうかについての制限はない。
(第15条)
期間の定めのないものを除いて、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの、特定契約の3年のほかは、1年を超える期間について締結できない(労働基準法第14条)。
(第16条)
退職に関する事項は、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
退職の申出は、2週間経過後に効力が生じる(民法第627条)。
(第17条)
退職金は、その定めがなければ発生しないもので、退職金を設けるかどうかについての制限はない。
退職金を設ける場合は、中小企業退職金共済事業団と退職金共済契約を締結する方法も利用されている。
退職金を定めた場合は、明示しなければならない。
(第18条・第19条)
中小企業においては、休職制度も設けず、長期休暇を与えて処理している方が多いようだ。
休職・復職の制度を定めた場合は、明示しなければならない。
(第20条)
解雇は広義の退職に関する事項に含まれており、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
とくに労働者の生活に直接、影響を与える事項なので、解雇をするには、解雇事由に一定の制限を課すほか(労働基準法第19条)、30日前に予告をすること、もしくは30日分以上の平均賃金(予告手当)を支払うことを義務づけている(労働基準法第20条)。
なお、解雇制限の中の「やむを得ない事由」とは、一般に天災事変に準じる事由があるときと解釈されるが、判断にあたっては労働基準監督署の認定が必要とされている。
(第21条・第22条)
表彰および制裁に関する事項を定めた場合は、明示しなければならない。
特に労働者に対して減給の制裁を定める場合は、1回の額が平均賃金の1日分の半分を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないことになっている(労働基準法第91条)。
(第23条)
労働者に負担させるべき食費、作業用品、その他に関する事項を定めたときは明示しなければならない。
(第24条)
災害補償を定めたときは、明示しなければならない。
なお、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかって障害が身体に残った場合、使用者はその障害の程度に応じて平均賃金に定められた日数を乗じて得た金額を補償しなくてはならない(労働基準法第77条)。また、その際、使用者が支払能力のあることを示し、補償を受けるべき者の同意が得られれば補償金額を6年にわたり分割することができる(労働基準法第82条)。
(第25条)
使用者は労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはならない(労働基準法第16条)。
以上のほか、定めをした場合に明示しなければならない事項は、
・退職手当を除く臨時の賃金等および最低賃金に関する事項
・安全および衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
である(労働基準法施行規則第5条)。
労働契約書に必ず明示しなければならない労働条件は次のとおりです。
・就業場所および業務
・労働時間、休日、休暇など
・賃金、昇給などに関する事項
・退職に関する事項
<< 契約書作成ポイント >>
(第1条)
就業場所および従事すべき業務に関する事項は、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。ここでいう業務は特定の部署を指す必要ななく、一般的な意味合いだけでよい。
(第2条~第5条)
始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する事項は必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
労働時間は、1週40時間以内、1日8時間以内(労働基準法第32条)。
変形労働時間制も認められる(労働基準法第32条の2、第32条の4)。
休憩は、6時間につき45分、または、8時間につき1時間(労働基準法第34条)。
休日は、原則として週1回(労働基準法第35条)。
年次有給休暇は、6か月8割以上出勤したときは10日、1年6か月以上は、20日まで次のとおり加算(労働基準法第39条)。
1年6か月……1日
2年6か月……2日
3年6か月……4日
4年6か月……6日
5年6か月……8日
6年6か月以上……10日
(第6条)
賃金の決定、計算および支払方法、賃金の締切りおよび支払時期、昇給に関する事項は、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
(第7条)
基本給を月給とするのか、日給とするのか、その場合の計算方法は、必ず明示しなければならない。
(第9条)
時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当は、必ず明示しなければならない。これらの手当の割増分の最低限度額は、通常の労働時間に対する賃金の2割5分(休日勤務については3割5分)(労働基準法第37条)。
(第10条)
休業手当を定めたときは、明示しなければならない。最低限度額は、平均賃金の100分の60(労働基準法第26条)。
(第11条)
賃金の計算期間も必ず明示しなければならない。
(第12条)
賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて、原則として、その金額を通貨で直接労働者に支払わなければならない(労働基準法第24条)。ただし、労働協約に別段の定めがある場合や銀行口座振込、郵便為替といった確実な支払いができる方法であれば、通貨以外の支払いも認められている。支払方法を明らかにしておくことが重要である。
(第13条)
昇給は必ず明示しなければならないが、昇給の方法、昇給額、昇給の時期などについての制限はない。
(第14条)
賞与は定めがあれば記載しなければならないが、賞与を支給するかどうかについての制限はない。
(第15条)
期間の定めのないものを除いて、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの、特定契約の3年のほかは、1年を超える期間について締結できない(労働基準法第14条)。
(第16条)
退職に関する事項は、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
退職の申出は、2週間経過後に効力が生じる(民法第627条)。
(第17条)
退職金は、その定めがなければ発生しないもので、退職金を設けるかどうかについての制限はない。
退職金を設ける場合は、中小企業退職金共済事業団と退職金共済契約を締結する方法も利用されている。
退職金を定めた場合は、明示しなければならない。
(第18条・第19条)
中小企業においては、休職制度も設けず、長期休暇を与えて処理している方が多いようだ。
休職・復職の制度を定めた場合は、明示しなければならない。
(第20条)
解雇は広義の退職に関する事項に含まれており、必ず明示しなければならない(労働基準法第15条)。
とくに労働者の生活に直接、影響を与える事項なので、解雇をするには、解雇事由に一定の制限を課すほか(労働基準法第19条)、30日前に予告をすること、もしくは30日分以上の平均賃金(予告手当)を支払うことを義務づけている(労働基準法第20条)。
なお、解雇制限の中の「やむを得ない事由」とは、一般に天災事変に準じる事由があるときと解釈されるが、判断にあたっては労働基準監督署の認定が必要とされている。
(第21条・第22条)
表彰および制裁に関する事項を定めた場合は、明示しなければならない。
特に労働者に対して減給の制裁を定める場合は、1回の額が平均賃金の1日分の半分を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないことになっている(労働基準法第91条)。
(第23条)
労働者に負担させるべき食費、作業用品、その他に関する事項を定めたときは明示しなければならない。
(第24条)
災害補償を定めたときは、明示しなければならない。
なお、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかって障害が身体に残った場合、使用者はその障害の程度に応じて平均賃金に定められた日数を乗じて得た金額を補償しなくてはならない(労働基準法第77条)。また、その際、使用者が支払能力のあることを示し、補償を受けるべき者の同意が得られれば補償金額を6年にわたり分割することができる(労働基準法第82条)。
(第25条)
使用者は労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはならない(労働基準法第16条)。
以上のほか、定めをした場合に明示しなければならない事項は、
・退職手当を除く臨時の賃金等および最低賃金に関する事項
・安全および衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
である(労働基準法施行規則第5条)。