ポイント解説

機械売買契約書


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(第1条)
売買契約の第1の要件は、目的物の特定である。目的となる機械の名称・型式・番号・年式等をできるだけ具体的に記載し、付属品があるときは、これも明確にする。仕様書などをつけるのもよい。

(第2条)
売買契約の第2の要件は、代金である。代金額、代金の支払方法等を明確にする。

(第3条)
不動産を買った場合は、所有権移転登記を済ませることが第三者に対抗するための要件となるが、動産の場合は登記のかわりに引渡しが対抗要件となる。そのため、引渡しの時期・方法を明らかにしておくことが重要である。
また、契約書に記載された日時・方法と実際に引渡しがあった日時とが異なる場合は、何らかの方法で明らかにしておく必要がある。

(第4条)
設例のような割賦販売の場合、代金支払確保のため、目的機械の所有権を売主に留保することが多い。

(第5条)
機械など動産の売買で注意したいのは、修理の問題である。機械などの性能について保証するときは、特にその期間、内容を定めること(瑕疵担保責任=民法第570条)。

(第6条)
法定の期限の利益喪失事由は、破産宣告、担保の毀滅(壊しなくすこと)または減少、担保供与義務の不履行である(民法第137条)。当然に期限の利益を失う点は特約。
解除事由も明確にする。何ら催告なく解除できる点は特約(民法第541条)。

(第7条)
解除後の機械の返還、損害金の算定・支払い等について定めておくとよい。

(第8条)
連帯保証人は、損害金を含む金銭支払債務を負担する。

(第9条)
合意管轄を定めたときは、明記しておく。紛争が生じた場合、裁判をどこの裁判所で行なうかは現実には重要な問題。

(第10条)
金銭債権の履行を確保し、実現を容易にするには、本契約書を公正証書にするとよい。

(第11条)
強制執行認諾文言付の公正証書がある場合には、裁判をすることなく差押えなどの強制執行ができる。